社会問題

弁護士法違反の辻直哉被告 初公判!悪質犯行の裏に巨大掲示板運営会社の影

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元自民党の衆議院議員で弁護士の今野智博の名前を語り、詐欺の被害金を回収できると言って詐欺被害者から合計5億円あまりをだまし取った裁判の初公判が行われ、主犯格の辻直哉被告と松井宏被告が法廷に立った。

 そこで事件の悪質性が改めて浮き彫りになるとともに、気になる事実も発覚した。 

極めて注目度が高い裁判

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 2024年9月10日、東京地方裁判所第531法廷において、辻直哉、松井宏を被告とする、弁護士法違反の裁判が行われた。裁判長は坂田威一郎。

 傍聴は抽選となる裁判であり注目度の高さが伺われた。法廷に入廷すると、マスコミ15席、一般40席は全て埋まっていた。

 後に判明したことであるが、傍聴席は辻直哉の詐欺被害者が大半を占めていたようである。というのも、辻直哉は今回の事件以外にも、高級時計詐欺事件、仮想通貨詐欺事件などの複数の詐欺事件に関与していたこともあり、様々な被害者が辻直哉に注目していたという。

 辻直哉は保釈中のためであろう、弁護士と共に一般席から入廷した。傍聴席の人たちは辻直哉の一挙一動一投足を見つめていたが、辻直哉は一度も傍聴席を見ることはなかった。無論頭を下げることもなかった。被害者が傍聴席にたくさん詰めかけていたのを知ってか、意識的に傍聴席から目をそらしていたのであろう。

 一方、同じ裁判で裁かれる共犯者の松井宏は拘留中のため刑務官2名に抱えられて、手錠と腰ひもを付けて登場した。

人定質問でしたらば社の役員解任があきらかに

 人定質問では両被告の素性が明らかにされた。

松井被告は前科あり、平成30年1月詐欺事件を起こし懲役5年の実刑判決

 一方、辻直哉は前科前歴はなしだったことが読み上げられる。裁判長から今の身分を問われた辻直哉は、「職業は会社員」と伝えると、そこで裁判長とちょっとした問答になった。

 というのも、逮捕時はしたらば社の役員という身分だったからだ。会社役員という立場であることが都合悪いので隠ぺいしているのではないか?と疑う裁判官の言葉に対し、実際にしたらば社の役員を逮捕後に解任されたが、いつ解任されたかは知らない。とのことだった。そのため今はしたらば社の従業員だと言う。

 辻直哉はしたらば社の存在を知られたくない、あるいは隠そうというような雰囲気だった。そこでしたらば社の謄本を取り寄せてみると、いくつか気になる点が散見された。

 とりあえず辻直哉に関しては、逮捕されたのが令和6年6月13日、したらば社の役員解任が6月30日だった。

文書名株式会社したらば 20240911謄本
株式会社したらばの登記簿謄本

【株式会社したらば】について

東京都渋谷区渋谷三丁目27番11号 祐真ビル 
 このビルのテナント情報にかんして
  >>(祐真ビル新館: TOKYOカオスエリアコレクション(TCC2) (seesaa.net)

この同じ住所に、爆サイの運営会社であったAeGate株式会社もあった。

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代表取締役は令和6年4月1日に今村成利氏から寺本祐介氏に変更

辻直哉は令和5年12月1日に役員登録

他に現行役員は、高岡賢太郎氏、夏井俊一氏、入江慎也氏の3名である。

被害総額は4億9千万円

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東京都港区新橋5丁目33-9グリーンビル7

 検察側の読み上げた公訴事実による事件の概要は次の通り。

 令和5年4月に知人Aを通して今野弁護士と知り合った辻直哉は、今野弁護士へ非弁行為をもちかけ、東京都港区新橋5丁目33-9グリーンビル7階 を拠点に非弁行為を始めた。 同事務所は株式会社アークス名義(今後このアークス社も犯罪関係が有るとみて徹底調査行う予定である)で賃貸している物件だった。

 今野弁護士は埼玉県に滞在し、東京都内には不在にしていたため、弁護士資格を持たない辻直哉らが今野弁護士になりすまし顧客対応をしていたという、まさに極悪人の仕事ぶりが公開された。

 「私は今野弁護士です。」という辻直哉らの嘘で、被害者は皆、今野弁護士が直接対応していると思いこんでいた。

 今野弁護士は、直接埼玉県の今野法律事務所に来たクレームのみ対応も、同年11月にはあまたのクレームに対応しきれなくなり、12月29日にインターネット広告を停止した。

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 辻直哉は他にも非弁提携で協力してくれる弁護士を継続して探していたが、今野弁護士以外の協力者は現れなかった。

 辻直哉らは、過去に詐欺や窃盗の前科が在る者たちを使い、組織的に顧客をあおり、ロマンス詐欺事件の他にも、仮想通貨詐欺、FX詐欺、その他詐欺被害事件であたかも被害額が返金できるかのように装い、着手金をせしめていた。

 その被害総額は4億9千万円にも上ることが明らかにされた。

 そしてその犯罪収益の分配は次の通り。

被害額のうち10%は今野智博弁護士、残りは湊和徳容疑者が受け取り、そこから家賃、広告費、10名以上いるであろう人件費等を支払う流れだった。

辻直哉被告は全売上のうち今野弁護士の半分の5%を個人報酬として受け取っていたという。

証拠資料から明らかになる悪質性

詐欺被害者の被害回復を謳い着手金をだまし取る犯罪ビジネスは辻直哉らによって徹底管理されていた。

 売上の管理、営業ノルマ、営業成績など提示させる「業務日報」を作成し、被害者へのトーク内容を指導する「犯行マニュアル」も用意されていた。

その中は

  • 被害者には、被害金額をすべてあきらめるか?と聞く
  • 弁護士ならば時間がかかっても被害金額を取り返せる。と説明する
  • さらに被害金額の回収に期待を持たせる
  • すぐに銀行口座凍結が出来る
  • 犯人が、銀行から出せる金額が日額50万円と決まってるので、それ以上の被害金額
    は凍結できるから、安心、戻る。
  • 被害者をとことんあおる。

といった内容である

 すがるような気持ちで助けを求めてきた被害者を、いかに巧みに騙してお金をより多くだまし取るか、それを徹底的に実践していた様子がわかる。
 まさに詐欺被害者を、金をむしり取る獲物としか見ていない、鬼畜の仕業である。
 様々な詐欺に関与していると噂されている辻直哉であるからこそ、そんな非道なことを考えつき、また実行できたのであろう。

被害者の悲痛な叫び

 続いて、検察は被害者たちの証言を読み上げた。

 裁判で開示された被害者5名、全員が辻直哉らに対して「厳罰を与えてほしい」と要求をしてた。その理由をまとめると次のとおりだ。

・弁護士業務に関して専門知識を持っていた
・国民として許せない
・弱者を食い物とした
・弁護士全体へ不信感を抱いた
・依頼して後悔している
・絶対に許せない
・完全に弁護士だと思い込まされた

という意見だった。こうした被害者たちの切実な声を聞くと、辻直哉が弁護士を語って詐欺被害者からお金をだまし取っていたことのことの重大さをあらためて思い知らされる。

したらば社の役員カラテカ入江慎也氏と高岡賢太郎氏の接点とは?

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 初公判で事件の概要がわかったが、その中で気になったのが、辻直哉が逮捕時に役員を務めていたという、株式会社したらばだ。

ウィキペディア(Wikipedia)によると、したらば掲示板とは、日本最大級の匿名掲示板である「2ちゃんねる」の創始者、西村博之氏によって作られた匿名掲示板で、匿名でも書き込むことができるため、よく誹謗中傷の問題が起こることで知られている。

 この掲示板を運営するのが、前述したしたらば社で、代表取締役は寺本祐介氏であるが、辻直哉はここで役員に名を連ねていた。

 ここで注目したいのが、同じ役員である。高岡賢太郎氏と入江慎也氏だ。

2億4000万円の所得隠しで逮捕された高岡賢太郎氏

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高岡賢太郎氏は、2020年2月に脱税で逮捕されている。

インターネット掲示板サイト「爆サイ」運営社長逮捕 脱税容疑、高岡早紀さん兄

 東京地検特捜部は20日、法人税など約5900万円を免れたとして、法人税法違反容疑で、インターネット広告業「Aegate(エーゲート)」(東京都渋谷区)代表取締役の高岡賢太郎容疑者(48)=東京都新宿区=を逮捕した。

関係者によると、同社はインターネット掲示板「爆サイ.com」を運営し、広告料が主な収入だった。

高岡容疑者は女優の高岡早紀さんの兄という。

同法違反幇助(ほうじょ)の疑いで、別会社の役員、田中弘章容疑者(49)=山口県周南市=も逮捕した。

高岡容疑者の逮捕容疑は、平成30年2月期までの2年間で、架空の外注費を計上するなどして、エー社の法人税と地方法人税計約5900万円を免れた疑い。

田中容疑者は脱税を手助けした疑い。

出典:産経新聞

特殊詐欺グループの忘年会で闇営業してた入江慎也氏

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そしてもう一人目を引くのが、入江慎也氏だ。

 かつて吉本興業に所属し、カラテカという名前のグループで活躍していたが、逮捕者40人以上、総額40億円にも上る被害を出した特殊詐欺グループの忘年会に出席し、事務所を通さずに直接ギャラを受け取る“闇営業”をしていた。

 逮捕はされなかったものの、コンプライアンス上に問題があったため、吉本興業を解雇された人物だ。

辻直哉と入江慎也氏の接点

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 辻直哉は逮捕され、裁判になっているものの、未だ不可解な点がある。

 まずこの事件が発覚した経緯は、警察が別の特殊詐欺を捜査していたときに発覚したという点だ。

 また辻直哉は、非弁行為という犯行を行うにあたって、 前科前歴のあるものを採用していたという点だ。

 つまり、辻直哉は特殊詐欺などの犯罪者人脈と深い関わりがあったであろうことが伺われる。

 もちろん入江慎也氏はこの事件に関与はしていない。しかし、辻直哉が特殊詐欺人脈と関わりを持っていたことは事実だし、また入江慎也氏も過去に特殊詐欺人脈と関わりがあったことは事実だ。

 そしてこの二人が同じ株式会社したらばの役員どうしであったことも事実だ。

犯罪収益の分配の謎

 辻直哉が主犯的な立場で非弁行為を行っていたものの、そこから報酬として今野弁護士が10%、辻直哉が5%を取り、残り大半は湊和徳容疑者のところに流れていたという点だ。

 その収益は、運営費や広告費に充てられていたと言うが、主犯的な立場にあった辻直哉が5%とは、ずいぶんと割り当てが少ないような気がしないでもない。

 今のところ辻直哉と高岡賢太郎氏を結びつけるのは、したらば掲示板を運営する株式会社したらばの役員同士であったということだけである。

 ただ辻直哉と高岡賢太郎を結びつけるのは、「したらば」という会社の役員同士であったということだけである。

ー続く

ただし前回の記事(マネーの虎の辻直哉が遂に逮捕で仮想通貨EMIコイン騒動再燃か!特殊詐欺にも関与?)で掲載したように、長井秀和氏のFacebookには、辻直哉と高岡賢太郎は同じ場所で飲食する仲間であり、相当深い関係があったであろうことが推測される。

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今後の裁判で真相が判明するかもしれない。

皆さまから辻直哉関連情報を求めております。

ー続く


国際新聞編集部

ただただ謙虚な姿勢でありのままのことをありのままに伝えることこそ、 ジャーナリズムの本来のあるべき姿。 それを自覚はしているものの、記者も血の通った人間。 時にはやり場のない怒りに震えながら、 時には冷酷な現実に涙しながら、取材をし、 全ての記事に我々の命を吹き込んだ新聞を作っています。

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