今野智博弁護士法違反裁判傍聴記・湊和徳がコデコプラスで犯罪収益回収
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令和6年12月12日、東京地方裁判所の第531方法体で、今野智博弁護士の名義貸し事件に関与した湊和徳被告の裁判が開かれた。
この事件は、弁護士の信頼性を大いに損なう事件で、社会的な影響も大きく、大変注目されている裁判だ。
計11名が逮捕されたなかで、湊和徳は、今野智博被告を筆頭に、辻直哉、松井宏に次いで主犯格、リーダー格と呼ばれている人物だ。
というのも、この事件において計画から実行まで主導的立場にあった辻直哉に対して、違法弁護士事務所の名義人となる今野智博元弁護士を紹介した人物であり、またこの違法弁護士事務所の広告運営や資金分配などの管理に関わっていた人物だからである。
また、この事件は警察が別の特殊詐欺事件を捜査している際に発覚したものであるが、おそらくそうした特殊詐欺に関与はしていなかったであろう今野智博弁護士と、特殊詐欺グループをつないだとされるのが湊和徳被告であり、その裁判において背後に潜むであろう特殊詐欺グループ解明の手がかりがあるのではないかと注目されている裁判でもある。
この裁判では新事実としてマネーロンダリングに関与した株式会社コデコプラスの存在が明らかとなった。
湊和徳の起訴内容について
検察側が読み上げた起訴内容は次のとおりである。
湊和徳は、辻直哉、松井宏らと共謀し、2023年9月11日 から新橋グリーンビル 7 階において非弁行為を行った。
詐欺被害者から得た報酬は、現金振込の場合は直接今野の預かり金口座に、クレジットカード決済の場合は、カード決済代行会社のアルファノートより手数料が引かれた上で、今野智博の預かり金口座に振り込まれていた。
湊和徳は、詐欺被害者から得た収益の 90%を得ていたが、収益の 90%のうち、一部をコンサルティング会社に広告費として支払っていた。
上記の広告費を引いても、多額の資金が湊和徳が代表を務める「株式会社アークス」に振り込まれる形だった。
そのため、株式会社アークス名義の多額の振込を避けるべく、辻直哉と共謀し、借名口座を作成した。
辻直哉が手配した犯罪収益回収会社コデコプラス
湊和徳は犯罪収益を回収するために、辻直哉を通じて株式会社コデコプラスの代表者である三好教子に借名口座の作成を依頼する。
この借名口座は、次のようなかたちでマネーロンダリングに利用された。
現金振込分に関しては、株式会社コデコプラス名義で、今野宛てに架空の広告費の請求書を作成。金額は判明している分だけでも5千万円弱。
クレジットカード決済分に関しては、決済代行サービス会社であるアルファノート株式会社より5千万超が今野の預り金口座に振り込まれ、株式会社コデコプラス名義で、今野宛てに架空の広告費の請求書を作成し、4回に分けて振り込まれている。
これらの請求書は、松井宏から、主犯者たち(今野智博、辻直哉、松井宏、湊和徳)が共有していたグループ LINE にデータで送信されて確認され、請求書データをもとに、今野智博が振込を実施していたという。
証拠説明と弁護側による不同意事項の確認
湊和徳は起訴事実を認め、公訴事実は争わないとしてものの、証拠資料が一部犯行期間外のものがあることに異議を唱えたのと、被告人質問後に証人尋問するという順序は、刑事訴訟法にそぐわないものであると撤回を求めた。
次回期日は1月31日に同法廷、論告・弁論が予定された。
三好教子のコデコプラスとは
辻直哉の求めに応じて借名口座を提供した三好教子は、株式会社コデコプラスの代表取締役である。
コデコプラスは、東京都千代田区神田錦町一丁目14番11の4階に位置し、公告は電子公告で行うとされ、http://halalindustry.net/com.html のアドレスが記載されているものの、そこにコデコプラスの公告は見当たらない。
ちなみに、http://halalindustry.net/com.html は、
ハラールインダストリー株式会社
千葉県千葉市中央区中央3丁目17番1-1212
代表者 市川 治彦
となっている。
コデコプラスの三好教子氏は、今回の11名の逮捕者の中に含まれていたのかは不明であるが、検察が起訴事実の中で、「辻直哉が借名口座の作成を依頼した」と言及していることから、何らかの処罰は免れないであろう。
辻直哉のマネーロンダリングに加担したことで、どんな見返りがあったのかに関しては、明らかになっていないものの、この借名口座を通じて1億円近い犯罪資金が資金洗浄されたとなれば、その社会的な責任は重い。