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<ススキノ首切断>『おじさんの頭持ってきた。カメラマンするでしょ? 私の作品見て』弁護側が明らかにした"いびつな家族関係と猟奇的犯行"「娘と一緒に暮らせなくなる日がすぐそこまで来ている」■裁判詳報■
逮捕起訴された親子3人
2023年7月、札幌ススキノのホテルで当時62歳の男性が首を切断され頭部を持ち去られた猟奇的な殺人事件。 逮捕・起訴された親子3人のうち、母親の田村浩子被告(61)の初公判が6月4日に札幌地裁で開かれ、浩子被告は起訴内容を否認、無罪を主張しました。 裁判で検察側は「ススキノの閉店イベントで被害男性と会い、その後ホテルに行き、避妊なしで性行為をされた。瑠奈被告はここで殺害を考えた。瑠奈被告が死体損壊の後、浩子被告は修被告によろしかったらお嬢さんの作品をご覧くださいと連絡した」と指摘。 これに対し、弁護側は「通報しなかったりとがめないことでほう助になるとの文言はない。ビデオ撮影や頭部損壊は聞いていない。抽象的に修被告に撮影を依頼した」と、犯行への関与を全面的に否定しました。
■弁護人の冒頭陳述より (抜粋~凄惨・性的な描写は一部修正)
廷内での浩子被告の様子
■弁護人が法廷で立証しようとすること ①田村瑠奈さんと、両親である浩子さん・修さんの親子関係と生活状況(事実上の主張) ②頭部が自宅に置かれた経緯と、浩子さんがこれを知ってそのまま生活することになった経緯、損壊の動画の撮影を修さんに依頼することになった経緯(事実上の主張) ③浩子さんが、頭部があることを知りながら何もせずにそのまま生活していたことが死体遺棄罪の幇助に当たらないこと、瑠奈さんから動画撮影を依頼され、頭部を損壊するということまで具体的にわからずに修さんに撮影行為を依頼したことが死体損壊罪の幇助にあたらないこと(法律上の主張) ■瑠奈さんとの親子関係および生活状況 田村浩子さんの経歴 室蘭市で生まれ、北海道教育大学北海道教育大学旭川校を卒業後、道立旭川美術館に8年間勤務。平成5年3月に田村修さんと結婚し、平成6年2月に長女の瑠奈さん出生。結婚後、専業主婦だった浩子さんは60歳を機にパートの仕事を始める → 本件逮捕勾留で、昨年退職
田村瑠奈被告…妄想上の恋人は「ジェフ・ザ・キラー」
■瑠奈さんの生活状況 ・中学入学後は不登校 ・浩子さんと修さんは、中学2年生の頃から瑠奈さんを精神科医に受診させて、中学3年生からはフリースクールに通わせるが、ほとんど通えず ・18歳頃からは自宅で引きこもりの状態になり、昼夜逆転の生活 ・修さんか浩子さんと一緒でなければ外出ができず、そのほとんどは修さんの送迎でドン・キホーテやゲームセンター、趣味のドールショップに行くといった程度 ・瑠奈さんに交際相手がいた、友人とLINEのやりとりがあった等の報道は全て誤報 ■瑠奈さん18歳頃からの変化① ・子供の頃の瑠奈さんはハリーポッターを好んだり、友達を家に呼んで遊ぶなど、ごく普通の子供 ・18歳の頃から「田村瑠奈は死んだ」と言い始め、田村瑠奈の死体に複数の人格が入り込んでいるという"ゾンビ妄想"に ・自身が田村瑠奈であるという認識は、10年以上前から現在までない ・「田村瑠奈の体には5~6人の魂が入って、体を借りているだけ」などと言って、自分のことを「ルルー」や「シンシア」などと名乗るようになる ・修さんも浩子さんも「瑠奈」ではなく、「お嬢さん」などと呼ばなければならない ・瑠奈さんも修さんや浩子さんのことを「ドライバーさん」「彼女」と呼ぶ
■瑠奈さん18歳頃からの変化②
・その時々で話し方や様子が別人のようになるときがある
・時折虚空を見つめて、妄想上の恋人(ジェフ・ザ・キラー)との会話も繰り返す
・精神が不安定になると、発狂したように意味不明な言葉を叫ぶ、自宅の壁を殴って穴を空ける、さらに自傷行為や自殺未遂をしてしまう
・修さんは瑠奈さんの妄想を肯定も否定もしないというスタンス、浩子さんは瑠奈さんの妄想を否定しないよう細心の注意を払って生活
・瑠奈さんの希望は可能な範囲でかなえるようにしていた
・瑠奈さんの妄想上の恋人であるジェフとの結婚披露宴(儀式)にも参加
■瑠奈さんと両親の生活
・田村家の自宅は、瑠奈さんが小学生の頃までは、普通に整理整頓された家
・瑠奈さんがゴミも含めて物を捨てるのを嫌がるようになったため、自宅内は瑠奈さんの物やゴミであふれかえるように
・事件直前は、もはや足の踏み場もほとんどない
・居間は浩子さんが寝起きするスペースを確保するのがやっと、修さんは自宅で寝るスペースがなく、ネットカフェで寝泊まり
・修さんは出動前あるいは退勤後必ず自宅によって、浩子さんに頼まれた買い物をしたり、浩子さんの作った食事を受け取る
・一人では外出できない瑠奈さんがゲームセンターやドン・キホーテなどに行きたいと言ったときには、送迎もしていた
イベントの場には2人を見守る修被告の姿が…
■瑠奈さんに対する治療
・今から6年ほど前、通院先から、多重人格や統合失調症の要素を満たすとされていた
・ただし、障害者年金を受給すること、自殺未遂を繰り返していたこともあり、診断名としては"躁うつ病"
・その後、クリニックにも通わなくなり、修さんが薬を処方するように
・統合失調症の治療薬である抗精神病薬については、体調が悪くなると訴えるため、数回飲んだ程度でやめ、抗うつ薬を服薬
■弁護人立証予定
・浩子さんら両親と瑠奈さんは、周囲から見ると非常に特異と評価される親子関係
・両親が瑠奈さんの言葉を否定したりすることができない状況にあったことについて
→修さんの証人尋問および、浩子さんの被告人質問により立証する予定
■頭部が自宅にあることを知った経緯
・令和5年5月28日 瑠奈さんの希望で「キングムー」閉店イベントに修さんが連れて行く
・瑠奈さんがいわゆるクラブという場所に行ったのはこれが初めて
・瑠奈さんは数年前からホラー映画やSMに興味
・昨年2月頃からは怪談バーにも行くようになったが、うつ症状は変わらず
・修さんと瑠奈さんがイベントに行っている間、浩子さんは自宅
・午前7時半頃、瑠奈さんがキングムーで知り合った人と意気投合してラウンドワンに行くという連絡
→両親以外の人と交流がない瑠奈さんにとって大きな前進、浩子さんは喜ぶ
■瑠奈さんに起こった出来事①
・キングムーでカラオケに誘われて付いていったら、ホテルに連れていかれた
・避妊せずに性行為をされた
・避妊していないことを指摘したら誤魔化された
・ホテルを出た後、修さんにクリニックに連れて行ってもらいアフターピルを処方してもらった
・このときの相手が、本件事件の被害者男性
■瑠奈さんに起こった出来事②
・修さんによると、瑠奈さんは性行為自体には同意
・相手が避妊しなかったことに対し、落ち込むとともに強い怒りの気持ちを持っていた
・浩子さんに対して瑠奈さんは、相手が「謝ったら許してあげる」と言っていた
・6月中旬、瑠奈さんは修さんとともに、すすきので相手の男性を探した
・男性を見つけて、7月1日に会う約束をした
■瑠奈さんが男性を探した目的
・会ったらSMプレイをすると言っていた
・瑠奈さんは以前からSMへの興味、女王になりたいと言ってSM関連のグッズを購入していた
・会う約束をした約1週間後、クラブで知り合った男性とSMプレイ
・修さんとSMプレイの練習、浩子さんはSMプレイに使用するスカーフを購入
・瑠奈さんは男性に会うのを楽しみにしていた
・浩子さんは一度トラブルになった男性と会わせたくなかった
・止めたところで行かないというはずもなく、止められなかった
■瑠奈さんと会わないよう男性に懇願
・修さんと浩子さんは、瑠奈さんと男性を会わせたくなかった
・浩子さんは、瑠奈さんがやくざの組長の娘であるという架空のシナリオを作り、警告することを考えてメモを作成
・修さんは何度か男性に電話
・7月1日の午後、初めて男性に電話がつながり、修さんは持ち合わせ場所に行かないよう頼む
→男性は「向こうも会いたがってるわけだから。」と拒否
・やむなく修さんは、瑠奈さんが嫌がることをしないように男性にお願いした
両親が見た「地獄」とは…
■事件当日~翌朝
・修さんと浩子さんは瑠奈さんが男性とSMプレイをしにいくと思っていた
・事件は7月1日23時頃
・翌日の朝方、浩子さんは浴室に見慣れないプラスチックのケースと、そこに入った黒いゴミ袋のようなものを目撃
・瑠奈さんが嫌がるので、黒いゴミ袋が何かは確認していない
・瑠奈さんから「おじさんの頭を持って帰ってきた」と聞かされる
・浩子さんは半信半疑だったが、頭部のない遺体発見の報道を見て、瑠奈さんの言葉が本当ではないかと考える
・恐ろしくて袋の中身は確認していない
■浩子さんの見た「地獄」
・瑠奈さんから「見て。」と言われる
・あまりに普通の言い方だったため警戒せずに浴室へ行く
・浴室洗い場に、皮をはがされた頭部が置いてあった
・「この世の地獄がここにある」深い絶望感
・瑠奈さんは損壊された頭部の(写真)を浩子さんに見せようとする
→浩子さんが手を引っ込めると、「ちゃんと見て!」と強く言ってカメラを持たせる
■動画撮影の依頼
・7月7日、瑠奈さんが浴室で作業をすると言って、浩子さんに動画の撮影を頼む
・具体的に何をするのかは浩子さんは聞いていない
・浩子さんは頭部を直視できず、理由をつけて断り、修さんに助けを求めたところ、修さんが撮影を了承
・浩子さんは損壊を撮影するといった具体的なことを伝えていない
・修さんが外出してしまったため、再び瑠奈さんから撮影を求められる恐怖
・「撮影カメラマンするでしょ?」→ 瑠奈さんに見られてもいいよう平静を装ったLINEを送信
■浩子さんと修さんの見た 「地獄」
・瑠奈さんから、顔の一部が入ったガラス瓶を見せられる
・直視できないでいると「ちゃんと見て!」とガラス瓶を持たされる
・このガラス瓶を瑠奈さんは浩子さんの寝床の近くに置いた
・数日後、耐えられなくなり理由をつけて移動してもらう
・7月19日、瑠奈さんから「私の作品見て。」
・浴室にあったのは、頭部の一部
・修さんも見せられている
■逮捕されるまでの日々
・自宅に頭部があることを知ってからの修さんと浩子さんの生活は言葉に尽くしがたいストレス
・二人ともなすすべもなく敢えて日常生活を送るしかない状態
・修さんは防犯カメラのある場所まで瑠奈さんを送迎、浩子さんも尾行に気づいていた
・娘と一緒に暮らせなくなる日がすぐそこまで来ていることを理解
・警察が来た時は運命を受け入れようと考える
・その日までのわずかな時間をこれまで通り家族として生活することを選択
・瑠奈さんだけでなく修さんと浩子さんも逮捕される
■弁護人立証予定②
・浩子さんが頭部があることを知りながら通報せず、敢えてそのまま生活するようになったこと、修さんに動画の撮影を依頼することになった経緯や依頼したときの認識、依頼内容について、修さんの証人尋問、浩子さんの被告人質問により立証する予定
■死体遺棄罪幇助の成否①
・死体遺棄罪は状態犯
・遅くとも瑠奈さんが頭部を自宅内に持ち込んだ時点で、遺棄の実行行為は既遂となり終了
・浩子さんは、瑠奈さんが頭部を自宅に持ち込んで浴室に置いた後に、この事実を知った
→認識後には頭部の場所的移動がなされていない
・隠匿行為を遺棄の実行行為と評価できるのは、場所的な移動を伴う隠匿行為
・浩子さんによる本件移置行為への関与は、事後従犯であり、罪に問えない
法廷内の浩子被告の様子
■死体遺棄罪幇助の成否②
・仮に同罪が継続犯と解したとして…
瑠奈さんから頭部を自宅内に置き続けることの許可を求められたことはない
瑠奈さんに対して容認するような発言をしたこともない
・検察官の主張は、警察に届けなかったことをもって、不作為による保管行為の幇助と主張するもの
・倫理的な問題は別として、警察に届ける法的義務があるとするのは死体遺棄罪の解釈では不可能であり、罪刑法定主義に反する
■死体遺棄罪幇助の成否③
・浩子さんが瑠奈さんの本件保管行為をとがめなかった=容認したという主張?
→とがめたとしても瑠奈さんが自ら警察に出頭するとは考えられない
・警察に出頭するまでとがめ続けなければならない?
→罪刑法定主義に反する
・以上より、死体遺棄罪の性質の解釈論にかかわらず、死体遺棄罪の幇助は成立しない
■死体損壊罪幇助の成否
・修さんによる撮影行為は、本件損壊行為を物理的にも心理的にも容易促進するものではない→因果性を欠く
・浩子さんの依頼した行為も、瑠奈さんによる本件損壊行為を促進するものではない→因果性を欠く
・浩子さんが、瑠奈さんによるビデオ撮影しながら被害男性の頭部を損壊する計画を容認した事実はない
・浩子さんの認識において、瑠奈さんが頭部に対して何らかのことをする可能性があることを排除していなかった点をもって「容認」した?
→容認は不作為による幇助であり、成立しないのは死体遺棄罪と同様
■結論
検察官の事実主張を前提としたとしても、浩子さんにはいかなる犯罪も成立せず、無罪
UHB 北海道文化放送
《ススキノ首切断》「熟女系風俗にとっとと売れや」…!母親が絶望した、サイコパス娘の「異様すぎる言動」
昨年7月、札幌・ススキノのホテルで男性会社員が殺害、その頭部が持ち去られるという凄惨な事件が起きた。
その後、殺人などの疑いで逮捕されたのは、田村瑠奈被告(30歳)とその両親。男性会社員の頭部は、一家が住む自宅2階の浴室から発見された。猟奇的な事件に世間は震撼。先だって行われた母・浩子被告(61歳)の初公判では、「異常な親子関係」が明らかになった――。
娘から書かされた「奴隷宣言」
「私は奴隷です」
娘からそう書かされた母親の宣誓書が、リビングに飾られていた――。
この事件では、娘や母親とともに、父親の修被告(60歳)を含む親子3人が逮捕、起訴されている。
「瑠奈被告は昨年7月1日から2日にかけて札幌市のラブホテルの浴室でAさんを殺害、首をのこぎりで切断して、修被告に送迎してもらい自宅に持ち帰った。その頭部は田村家の自宅の2階浴室から腐敗した状態で発見されました」(全国紙社会部記者、以下「」も)
瑠奈被告は殺人と死体損壊、修被告は殺人ほう助の疑いでそれぞれ起訴されているが、ふたりの公判開始期日は決まっていない。
まずは浩子被告の初公判が6日4日、札幌地裁で行われた。
前代未聞の猟奇的な事件とあり、世間の関心は高く、300人以上が傍聴券を求めて列を作った。
「浩子被告は男性の頭部を自宅に隠すことを容認した死体遺棄幇助、もう一つは瑠奈被告が頭部を損壊する様子のビデオ撮影を求められ、修被告に依頼した死体損壊幇助の罪に問われています」
浩子被告は起訴内容について「違うと思うところがいくつかあります」と否認、無罪を主張している。
「私が頭部の存在を知ったのは事件の後でした。頭部の損壊を知ったとき、すでに浴室に置かれていました」「浴室で撮影と聞いたとき、とても耐えられなる状態ではなかった」「助けを求める気持ちで夫に撮影を頼んだ」「犯罪を手助けするつもりはなかった」
時折、声を詰まらせながら浩子被告はそう訴えた。
常軌を逸した娘の行動を、両親は止めることができなかった。初公判で明らかになったのは、歪んだ家族のカタチだった――。
父親は「ドライバーさん」
「瑠奈被告は両親に『お嬢さん』と呼ばせ、敬語で接するよう強要していた。両親を奴隷扱いし、父親のことは『ドライバーさん』と呼んでいた」
冒頭陳述では、その関係を象徴するような事柄が述べられていた。
「まず、自宅が瑠奈被告の所有物で溢れていたことです。3階建ての自宅のほとんどのスペースは、両親が瑠奈被告に買い与えた衣類などで足の踏み場もない状態。しかし、浩子被告、修被告はその所有物に触ることを禁じられていたため片づけもできず、居間もリビングも自宅のどこも足の踏み場もなかったそうです」
浩子被告は2階リビングに残されたわずかなスペースで就寝。修被告は近所のインターネットカフェなどで寝泊まりしていたという。事件前、インターネットカフェや自宅駐車場に停められた車内で就寝する修被告が目撃されていたのは、そのためだろう。
「両親は瑠奈被告を溺愛しており、幼少期から叱ることはなく、成人したあとも彼女の要望に最優先で応えていた」
欲しいものは買い与え、食べたいものがあればそれを買って帰り、常に機嫌を伺いながら接していたという両親。
「瑠奈被告の機嫌を損ねることは、両親にとって恐怖でもあったのかもしれません。些細なことでも叱責し、修被告が運転中であっても瑠奈被告は首を絞めて怒りをぶつけることもあったそうです。浩子被告についても『熟女系風俗にとっとと売れや!』などとの暴言を修被告に吐くこともあった」
両親は瑠奈被告が好き勝手に振る舞っても、叱ることはなかった。そのため、いつしか瑠奈被告と両親との関係は支配する側、される側という構図が出来上がってしまったのかもしれない。
あまりにも異様な瑠奈被告との日常を振り返った浩子被告は「どうすることもできない状況で日々を過ごしていた」と訴え、涙を流していた。
歪んだ異常な親子関係。それが事件を起こすきっかけにもなっていったのかもしれない。
つづく後編記事「死体を損壊する様子を両親に動画撮影させて…娘の凶行を「この世の地獄」と絶望した母親の「溺愛」という「虐待」」では、さらに事件の深層について詳報する。
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