【第四弾】技術者は仮面?阿部力也の株式会社ABに潜む搾取の設計図――DGキャピタル破綻の裏 で蠢く詐欺師たちの影
記者:社会部 追跡班
本稿を公開するに先立ち、本稿で詳報する「株式会社AB」に潜む疑惑について、阿部力也氏に直接、真偽を問う質問状を送付し取材を申し込みました。しかし、期日までに一切の回答や連絡はなく、事実上の取材拒否(黙殺)の形となっています。
もし同氏が「経営の実務は知らず、名前を利用されただけの被害者」であるならば、堂々とその旨を反論すべき全うな機会であったはずです。しかし、阿部氏側から返ってきたのは「完全な無視」という不誠実な対応でした。
「技術一筋」という仮面の裏で、同氏はなぜ語るべき言葉を失ってしまったのか。この沈黙自体が、本紙の掴んだ「搾取の設計図」の信憑性を奇しくも物語っているのではないでしょうか。阿部氏が葬り去ろうとした不都合な真実を、以下の本編で徹底検証します。
権威と詐欺の境界線――技術者・阿部力也が担わされた「最後の役割」
阿部力也を一言で言えば、「高度な技術と学術的権威という『表の顔』を持ちながら、その信用が未公開株詐欺や不透明な破産手続きの強力な隠れ蓑として機能していた存在」であったのではないかと思わせる衝撃の事実が明らかになった。
その事実から推測すると、阿部力也は「卓越した技術者を『看板』として使い捨て、その社会的信用を現金化する詐欺的スキーム」の核心部に位置しており、最終的には汚染された株主名簿や不正流出の実態を闇に葬るための「幕引き」役を担った人物であったのではと思わざるを得ない。
それは、多くの人が指摘する、阿部力也による不自然なタイミングでの破産宣告の意味を浮き彫りにするものである。

プロローグ:次世代エネルギーの夢と、27億円の瓦解
「電力のインターネット化」――。この壮大な構想を掲げ、再生可能エネルギー業界の風雲児として注目を集めた「DGキャピタルグループ(DGCG)」が、令和8年3月2日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約27億6000万円。しかし、この破綻は単なる経営失敗ではない。その背後には、東大特任教授という「知の権威」を看板に据え、投資家から私財を毟り取ろうとした、冷徹な詐欺的スキームの存在が浮かび上がっている。
グループの中核にいたのは、工学博士・阿部力也氏である。デジタルグリッド技術の提唱者として著名な学者が、なぜ「詐欺の片棒」と指弾される事態に陥ったのか。本紙の取材によって、阿部氏がDGCG在籍中の令和6年3月に密かに設立していた「株式会社AB」の異様な実態が明らかになった。それは、事業の成功ではなく、最初から「搾取」を目的として設計された、驚愕の資本政策の記録であった。
第1章:新会社「株式会社AB」に刻まれた“不自然な数字”
株式会社ABの登記簿を手にした専門家は、一様に絶句する。資本金はわずか「1万円」。しかし、発行済株式総数は「1万株」にものぼる。さらに、その内訳は普通株式100株に対し、「甲種類株式」が9,900株という、極端な比率で構成されているのだ。
この構成について、ある金融コンサルタントはこう分析する。「資本金1万円で1万株を発行するということは、1株あたりの単価はわずか1円。実業を行う会社としてはあり得ない設定です。これは明らかに、株式を『安価な商品』として大量に売り捌くためのハコ、すなわち未公開株詐欺のプラットフォームとして設計されたものです」。
これまで阿部氏は、DGCGを巡る不透明な資金移動や未公開株の違法販売疑惑に対し、「自分は技術一筋で、経営の実務は知らなかった」という立場を貫いてきた。しかし、自身の名前を
冠した「AB」という会社でこれほどまでに露骨な「搾取の設計図」が描かれていた事実は、彼が単なる操り人形ではなく、スキームの深部に深く関与していた、あるいは「積極的な黙認」
を与えていた疑いを強く抱かせる。

第2章:黒幕たちが描いた「4つの搾取シナリオ」
阿部氏のような研究者が、これほど巧妙な資本政策を独力で考案したとは考えにくい。背後には、これまで数々の未公開株詐欺や不正融資に関与してきた「プロのフィクサー」たちの影が見え隠れする。彼らが描いたシナリオは、以下の4段階に集約される。
- 経営権の完全分離と「操り人形」の維持
フィクサーたちは、阿部氏の「学者としてのプライド」と「事務への疎さ」を突いた。議決権のある普通株100株を阿部氏に持たせることで、対外的には「阿部氏の会社」という体裁を維持しつつ、残りの9,900株を「無議決権株」として設定。これにより、どれだけ外部の個人投資家に株を売り付けても、投資家が経営に介入する余地を完全に封殺したのだ。 - 「1株1円」による心理的ハードルの引き下げ
「今は1円だが、NASDAQに上場すれば数千円になる」。この射幸心を煽るトークを実現するために、1株単価を極限まで下げた。知識の乏しい高齢者や個人投資家にとって、数万円から「億り人」を目指せるという幻想は、何物にも代えがたい誘惑となる。彼らにとって、投資家は「声なき資金供給源」に過ぎなかった。 - 阿部氏の「社会的信用」の徹底的な換金
「東大教授が嘘をつくはずがない」。この盲信こそが、最大の武器となった。三笠崇仁氏や新海優氏、そして過去に「コシ・トラスト」事件で名を馳せた中林明久氏といった、疑惑の人物たちが阿部氏を「看板」として前面に立たせ、自らは裏で未公開株の販売網を構築。責任の所在を曖昧にしたまま、信用を現金へと変えていった。 - 「過剰販売」を隠蔽するための迷宮化
種類株式の複雑な設定は、当局の追及を逃れるための「煙幕」でもある。「どの種類の株を、いつ、誰に売ったか」の照合を困難にさせ、実態解明を遅らせる。その間に資金を海外や別法人へ還流させ、証拠を隠滅する――。これが彼らの定石である。
第3章:福島、そして高島――繰り返される悲劇
DGCGの闇は、今回の破産以前から噴出していた。福島県楢葉町の巨大工場跡地を巡る不動産取引では、複雑な「三為契約」を用いた裏金作り疑惑が浮上。さらには、東証プライム上場の「株式会社高島」を巻き込み、6億円を超える特別損失を計上させるという、前代未聞の事態を引き起こしている。
被害者の一人であるM氏は、三笠氏から「DGキャピタルは近々ナスダックに上場する。1株30万円の価値があるが、特別に20万円でいい」と持ちかけられ、3000万円を詐取されたと訴える。こうした被害の声は全国に広がっており、告訴状が次々と警察に提出されている。
エピローグ:技術の仮面を剥ぎ取る時
阿部力也氏に提示された「絵」は、おそらく「次世代の電力インフラを創る社会貢献」という壮大な夢だったのかもしれない。しかし、登記簿に刻まれた事実は非情だ。そこにあるのは、卓越した技術者を使い捨てにし、その信用を徹底的にしゃぶり尽くそうとする、虚業家たちの「剥き出しの欲望」である。
「株式会社AB」の登記簿という一枚の紙が、この上場詐欺事件の秘密の扉をこじ開ける鍵なのかもしれない。技術の仮面に隠された「搾取の設計図」を白日の下に晒し、彼らの責任を追及し続けること。それが、この巨大な詐欺劇に終止符を打つ唯一の方法である。


