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東証プライム上場の不動産会社「三栄建築設計」の元社長が、暴力団幹部におよそ190万円を渡したとして、東京都公安委員会が暴力団排除条例に基づき、20日、勧告を行った。 不動産会社「三栄建築設計」によると、元社長の男性（55）は2021年3月、指定暴力団住吉会系幹部（64）に小切手およそ190万円を渡したという。 関係者によると元社長は、建物の解体工事をめぐって暴力団幹部が指定した会社に受注させ、その際に、通常の工事代金より水増しする形で利益供与を行っていた。 この事態を受け、東京都公安委員会は暴排除条例に基づき、利益供与をやめるよう、三栄建築設計に勧告書を交付した。 上場企業に対する暴排条例に基づく勧告は異例。 三栄建築設計は勧告を受けて、「今後、第三者委員会を設置して徹底した事実関係の調査および原因究明を行い、再発防止に向け全力を挙げて取り組む」とコメントしている。 元社長は、暴力団幹部の男性と以前から知人関係で、警視庁の任意の調べに「暴力団員という認識はなかった」と話しているということだが、2022年11月、「一身上の都合」として社長を辞任していた。 警視庁は、水増し請求により三栄建築設計に損害を与えた特別背任の疑いで、元社長を書類送検する方針。