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日本における中国人犯罪の実態
引用元:ダイヤモンド・オンライン
中国人が日本の医療にタダ乗り!高額のがん治療で
中国人による“爆買い”が一段落付く一方で、昨今、日本で検診や病気の治療を行う「医療ツーリズム」が活気づいている。しかし、制度の盲点を突き、日本の医療制度に“タダ乗り”している中国人も急増しているという。その実態を取材した(ダイヤモンド・オンライン副編集長 田島靖久)
「中国からの患者が押し寄せ、とにかく大変。言葉が通じず、しかも『はるばる来たのだから先に見ろ』などとわがままを言う人も多く、日本人の患者にしわ寄せが及んでいる。しかし、日本人へのしわ寄せはそれだけではない…」
こう語る医師が所属するがん専門の大手病院には、ここ数年、中国人のがん患者が大挙して訪れている。中国では承認されていないクスリの投与を望む患者や、最先端の治療を受けたいという患者が多いためだ。
中国でも、がんは死因の上位を占める国民病。中国の研究チームが米国がん協会発行の学術誌に発表した報告書によれば、2009~11年に収集された全人口の6.5%にあたるデータに基づいて推計した結果、中国全土における浸潤性がんの2015年の新規診断例は429万2000例に上るとみられている。
つまり、がんの新規診断は毎日1万2000例近くに上り、7500人が日々命を落としている計算だ。それだけの病気となった中国のがん患者たちにとって、日本の医療レベルは高く信頼性も高いため、検診や治療を望む人たちが殺到しているというわけだ。
ところが、である。こうした中国人たちの中に、“招かれざる客”が多数紛れているというのだ。
先の医師は匿名を条件に語る。
「がんの治療費、なかでも最先端治療の費用は高く、中国人でも超富裕層しか受けられないはず。しかし、ここ数年、そうでもない一般の患者が急増している」
経営・管理ビザで入国し
健保に加入して「3割負担」
たとえば、悪性黒色腫と非小細胞肺がん、腎細胞がんなどに適応する薬として承認された「オプジーボ」。病状やステージなどにもよるが、薬代だけで1日当たり3万9099円はかかる。年間で見てみると、体重40キログラムの人の場合約1144万円、60キログラムの人で約1792万円かかる計算だ。
そのライバル薬としてMSDが発売、悪性黒色腫と非小細胞肺がんなどに適応するとして承認された「キイトルーダ」でも、年間1427万円はかかるとされている。しかも、あくまでこれらの薬は症状を悪化させない意味合いが強く、長期間にわたって投与する必要があるのだから、その費用はかなりの金額に上る。
もちろん、がんの種類や症状によって治療法や薬は異なり、すべての患者がこれだけの費用を負担しているわけではないが、いずれにしても治療費は高額だ。では、こうした費用を、なぜ一般の中国人が負担することができるのか。そこにはあるカラクリがある。
中国でがんと診断され、2ヵ月前に夫と一緒に来日、がんの専門病院で治療を受けている40代の女性は明かす。
「渡航費、滞在費、治療にかかる費用など、合わせて300万円程度でいいと業者に誘われ、日本にやってきた」
関係者によれば、この女性が日本で治療を受けた場合、実際にかかる費用は一般的に見て1000万円程度だとみられる。それが3分の1程度の負担に収まっているのは、来日する際の「ビザ」に理由があるのだ。
通常、日本で病気を治療する際には、「医療滞在ビザ」で入国する。しかし、この女性の場合、「経営・管理ビザ」で入国していた。
これは、日本で会社を経営するため滞在する場合に発給されるビザ。こうしたビザで入国し、3ヵ月以上合法的に滞在していれば、国民健康保険の加入が義務付けられる。もちろん、保険料を負担しなければならないが、同時に医療費が「3割負担」で済むという“恩恵”を受けることができるのだ。負担する必要がある保険料についても、前年に日本で所得がない場合、月額わずか4000円だ。
この女性は、決して日本で会社を経営しているわけではない。事情に詳しい医療関係者によれば、「経営・管理ビザは、資本金500万円以上で会社を設立、その代表取締役が申請できるもの。そこでペーパーカンパニーを設立して、ビザを申請しているのだ」という。
さらに、「会社設立に必要な資本金の500万円は、患者が用意できなくても、あたかも持っているかのよう見せる“見せ金”として用意する業者がいる。あくまで見せ金だから、業者は一時的に貸し付けて、ビザが発給された段階で回収して次の患者に回す。そうしたことを繰り返し、何人もの中国人を来日させている」と明かす。
この関係者によれば、「がんや肝炎など高額治療の患者を集めて斡旋、ツアーを組む業者までわんさかいる。もちろん、日本の行政書士などとグルになってやっている」という。
入国制度の盲点を突き、中国人が日本の健康保険を使って高額ながん治療を行っているというわけで、前出の医師が語るように「日本人にしわ寄せが及んでいる」形だ。
生活保護を受給し
1円も払わないケースも
それだけではない。国民健康保険の加入者が海外で医療費を支払った場合、一部を加入者に返す「海外療養費支給制度」という制度がある。海外でけがをした、病気にかかったといった場合、帰国後に申請すれば療養費の一部が返還されるというものだ。
この制度を、国民健康保険に加入している中国人が悪用し、中国に一時帰国した際に入院したかのように装って虚偽の申請を行い、療養費をだまし取ったりするケースが後を絶たないのだ。これまで、大阪府警などが詐欺容疑で摘発したりしているものの、「海外の病院に確認を取るのも大変だし、現地の医師とグルになられると虚偽の証明が容易ではない。だから摘発されたのはあくまで氷山の一角だ」と、事情に詳しい関係者は明かす。
さらには、「一円も払わずがん治療を受ける中国人もいる」(別のがん専門病院の医師)という。この医師は、「中国残留孤児が呼び寄せた中国国籍の家族が生活保護を受け、高額のがん治療を受けている。その数は決して少なくない」と明かす。生活保護受給者なので医療費はタダ。国民健康保険に加入する必要もないので、完全な “タダ乗り”をしているというわけだ。
もちろん、きちんと医療費を支払って治療している中国人も少なくなく、不正を働いているのは一部であろう。だが、複数の医師は、「現場では、決して無視できないほどの人数が治療に訪れている」と危機感を強める。
今や国民医療費は40兆円を突破し、日本の財政は危機的な状況にある。しかも、健康保険の原資は日本人が納めているお金だ。それを“食い物”にされている状況は看過できないだろう。
引用元:AFP BB NEWS
日本の医療機関が中国人に人気、悪質業者も
【5月17日 東方新報】ある資料によると、中国国外の医療機関での診療を検討する人たちが、近年は毎年50%ずつ増えているという。これに伴い、海外診療を仲介する中国の業者も、以前は指折り数える程度だったが、今では大小合わせて数百社にまで増加している。海外での診療は今まさに爆発的なブームだ。
中国の医療仲介業界関係者によると、医療のレベル、サービス、費用の公平性の面で、中国人の間で日本の医療機関の評判が高まっている。日本は中国から比較的近いため、海外で診療を受けたいと考える人たちの関心は、かつての米国から日本へと変わりつつある。
日本での診療を希望する人たちの主な目的は、重篤な病気の治療か健康診断だ。これに伴い、日本での診療を専門に仲介する業者も増加している。仲介業者は医療滞在ビザの取得や病院の予約・転院の手続き、カルテの整理や医療関係資料の翻訳などのサービスを行う。
業界関係者によると、日本でがん治療を受ける場合の仲介料は最低13万8000元(約222万円)。通訳と車の費用は時間、走行キロ数に従って別途徴収する。航空運賃と宿泊費は自己負担だ。もしも末期がんの治療なら、少なくとも計100万元(約1607万円)を用意する必要がある。
「無界共享(北京)健康管理有限公司」の徐匯涌(Xu Huiyong)董事長によると、日本の医療機関は、外国人が日本で診療を受ける場合、日本政府認定の医療通訳・翻訳機関が翻訳したカルテの提出と、診療の際に医療通訳の有資格者が同伴することなどを求めている。
「しかし大部分の仲介業者が、現地の日本で雇った中国系住民か中国人留学生に通訳をさせている。彼らは医療専門用語が分からないため、患者の病状を正しく伝えられていない。また、ひどい時には服薬の規定を誤って通訳し、患者の治療に重大な悪影響を及ぼすこともある」と、徐董事長は話す。
日本経済新聞(Nikkei)によると、医療目的で日本を訪れる外国人の数は現在、2011年の14倍に上るが、そのうち9割が中国人だった。
武漢市(Wuhan)の陳星(Cheng Xing)さんは長年ずっと患っていた乾癬の治療を中国の数多くの病院で受けてきたが、病状はいっこうに改善しなかった。そこで、日本で乾癬を治療したことがある友人の紹介で、日本に行って治療を試みる決心をした。
ある日本診療手配サービス会社が明かした数字によると、日本での診療の相談は毎年平均1万件を超え、それぞれの治療費は大部分が600万円以上になるという。医療目的で訪日する中国人の数は、20年にはのべ31万人を超す見込みで、医療市場の潜在的規模は5507億円に及ぶと予想している。
業界関係者の話では、言葉の壁や地域格差を利用して、日本の医療機関について中国国内で虚偽の宣伝をしたり、法外な値段を要求したりする業者がいるという。例えば、本来4万元(約64万円)しかかからないフルコースの精密身体検査で、13万元(約210万円)も徴収した事例があった。
また、日本の医療機関では銀行カードを利用できるのにも関わらず、多くの仲介業者が自らの利ザヤ稼ぎのため、患者には仲介業者を通さなければ支払いができないと告げているという。
「海外医療の仲介業者に対し、国が正しい方向に行政指導を行うべきだ。企業登記の際に、医療知識のある専門要員を配置して医学知識の基本的な質問に答えられるようにすることを要求するなど、一定のハードルを設ける必要がある」と専門家は話している。(c)東方新報/AFPBB News
引用元:プレジデント・オンライン
「留学ビザ」で日本の医療費を食う中国人
3カ月の投与で465万円がかかるC型肝炎の特効薬「ハーボニー」。だが国保の医療費助成制度を使えば、自己負担は月額2万円で済む。この格安医療を目的に「留学ビザ」で来日する中国人が増えている、と「週刊現代」が報じた。同誌の元編集長の元木昌彦氏は「『現代』は中国人の摘発を訴えているが、同時に早急にやるべきことがある」と指摘する――。
「日本の医療費が中国人に食い物にされている」
ある大富豪が「青いキリンを見せてくれたら、莫大な賞金を出そう」といった。
日本人は昼夜を問わず品種改良を重ね、青いキリンをつくった。
中国人は青いペンキを買いに行った。
これは『中国人vs日本人』(早坂隆著・ベスト新書)に出ているジョークである。
私だったら、中国人は日本人がつくったキリンを盗んで持って行ったとするのだが、それではジョークにならないか。
断っておくが、私は嫌中派ではない。観光旅行を含めて中国へは20回近く行っている。北京の胡同、三国志の時代を彷彿させる上海の朱家角、杭州の西湖から見た夕日、西安の屋台街など、中国ならではの街並みや味をこよなく愛する者である。
だが、『週刊現代』(5/26号、以下『現代』)が巻頭で報じている「日本の医療費が中国人に食い物にされている」を読んで、私の中にある振り子が嫌中側へやや傾いた。
「明らかに観光なのに保険証を持っている」
『現代』の内容をかいつまんで紹介しよう。
日本語が全く話せない70代の中国人患者が息子と日本の病院にやってきて、脳動脈瘤の手術をした。自由診療なら100万円から200万円はかかる。だがくだんの患者は健康保険証をもっていたため、高額療養費制度が使えた。自己負担は8万円程度だったという。
この患者は、日本で働いていたのでも、日本語を学ぶために留学していたわけでもない。
だが、留学ビザを取得すれば、日本では国民健康保険(国保)に加入する“義務”があるため医療保険が使えるのだ。以前は1年間の在留が条件だったが、12年から3カ月に短縮された。日本語を学びたいといって申請すれば、70歳でも80歳でも取得することができるのである。
新宿の在留外国人がよく利用する国立国際医療センターの堀成美は、「明らかに観光なのに保険証を持っている『不整合』なケースは年間少なくとも140件ほどある」と語っている。
来日してすぐの留学生が病院を訪れて、高額な医療を受けるケースもあるが、「深刻な病気を抱えている人は留学してきません。もともと患っていた病気の高額な治療を求めて受診するケースでは、治療目的なのかと考える事例もあります」(堀)
とりわけ需要が多いのはC型肝炎の治療
日本を訪れる中国人の間でとりわけ需要が多いのはC型肝炎の治療だという。特効薬のハーボニーは3カ月の投与で465万円かかるが、国保に加入して医療費助成制度を使えば、月額2万円が上限になる。
肺がんの治療に使われる高額なオプジーボは、点滴静脈注射100mgで28万円、患者の状態にもよるが1年間でおよそ1300万円かかる計算になる。
仮に100人の中国人が国保を利用してオプジーボを使えば、13億円の医療費が使われることになるが、高額療養費制度を使えば、実質的な患者の負担は月5万円、年間60万円程度で済むと『現代』は指摘する。
しかも、医療目的の偽装留学か否かを見抜くのは難しいと、外国人の入国管理を専門に扱う平島秀剛行政書士がいう。
「申請書類が揃っていれば年齢に関係なく、留学ビザを取ることができます。実際、高齢でも本当に日本語を学びたいという人もいますからね。厳しくやり過ぎると、外国人を不当に排除しているととられかねません」
ビザを取る方法はほかにもある。日本で事業をするといって3カ月在留すれば、経営・管理ビザがもらえ国保に入ることができる。
そのためには資本金500万円以上の会社を設立しなければならないが、500万円を一時的に借りて「見せ金」にし、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げればビザをもらえる。
そうしたペーパーカンパニーを立ち上げてくれる中国人ブローカーがおり、それとグルになって手引きする日本の行政書士もいるそうである。
医療ツーリズムは日本の病院の「下見」
それだけ日本の医療が中国人たちに信頼されているということではある。中国人富裕層たちを日本に連れて来て、高額な健康診断を受ける「医療ツーリズム」が人気になっている。彼らは当然、自由診療である。
だが富裕層の中にもケチなやつがいて、治療費を安く抑えようと、日本の保険証を取得する中国人は少なくないそうである。医療ツーリズムを積極的に受け入れている医療法人の元理事がこう語る。
「私がいた病院にやってくる中国人富裕層は、医療ツーリズムなどで高額な健康診断を受けたのち、いざ病気が見つかると、会社を設立し、経営・管理ビザをとって日本で治療するのです。彼らにとって医療ツーリズムは日本の病院の『下見』なんです」
中国にいる知人が病気になったら、書類上はその会社の社員にして、就労ビザを取得させることもできる。
こうした手を使えば、誰でも日本の保険に入ることができるのだ。
始末が悪いのは、罪悪感などほとんどないということである。この元理事は、来日した中国人にこういわれたそうである。
「私の知り合いなんてみんな、日本の保険証を持っているよ。中国に住みながら持っている人もいる。私だって日本にいっぱい会社持っているから、保険証なんてすぐ手に入る。まともに正規のカネを払うなんて、富裕層のなかでもプライドが高い人か緊急性のある人だけですよ」
別に違法なことをやっているわけじゃない、日本の制度を利用しているだけだから、何がいけないのかといい放ったという。
引用元:週刊現代
海を渡って日本に治療を受けに来る 「タダ乗り患者」が増殖中
「週刊現代」が外国人による国民皆保険の「不当利用問題」について、キャンペーンを行っている。第一回目は、入国制度の盲点を突き、日本の健康保険に加入し、高額治療を安く受ける外国人の実態に迫っている。
「留学ビザ」で国保に加入
「最近、日本語がまったく話せない70代の患者が、日本に住んでいるという息子と一緒に来院し、脳動脈瘤の手術をしました。
本来なら100万~200万円の治療費がかかりますが、健康保険証を持っていたので、高額療養費制度を使って自己負担は8万円ほど。
日常会話もできないので、日本で暮らしているとはとても考えられませんでした。どうやって保険証を入手したのかわかりませんが、病院としては保険証さえあれば、根掘り葉掘り確認することはありません」
こう明かすのは都内の総合病院で働く看護師。
いま日本の医療保険制度を揺るがしかねない事態が起きている。ビザを使ってやってきた外国人が日本の公的保険制度を使い、日本人と同じ「3割負担」で高額治療を受けるケースが続出している、というのだ。
厚生労働省が発表する最新のデータによると、日本の年間医療費は9年連続で最高を記録し、42兆円('15年度)を突破した。
とくに75歳以上の後期高齢者の医療費は全体の35%を占め、その額はおよそ15兆円にのぼる。「団塊の世代」が75歳以上となる'25年には、全体の医療費が年間54兆円に達する見込みだ。
4月25日、増え続ける医療費を抑制するため、財務省は75歳以上の高齢者(現役並み所得者以下の人)が病院の窓口で支払う自己負担額を1割から2割に引き上げる案を示した。
日本の医療費は危機的状況にある。その要因が高齢者医療費の高騰であることは論を俟たないが、冒頭のように日本で暮らしているわけでもない外国人によって崩壊寸前の医療費が「タダ乗り」されているとなると、見過ごすわけにはいかない。
法務省によれば、日本の在留外国人の総数は247万人('17年6月時点)。
東京23区内でもっとも外国人が多い新宿区を例にとれば、国民健康保険の加入者数は10万3782人で、そのうち外国人は2万5326人('15年度)。多い地域では、国保を利用している4人に1人が外国人、というわけだ。もちろん、まっとうな利用ならなにも咎めることはない。だが、実態をつぶさに見ていくと、問題が浮かび上がってくる。
そもそも医療目的(医療滞在ビザ)で日本を訪れた外国人は、国保に入ることができない。
たとえば、昨今の「爆買い」に続き、特に中国の富裕層の間では、日本でクオリティの高い高額な健康診断を受ける「医療ツーリズム」が人気となっているが、こうしたツアー参加者が日本で治療を受ける場合は全額自腹(自由診療)で治療費を支払う必要がある。保険料を負担していないのだから当然であるが、相応のおカネを払って日本の医療を受けるなら、何の問題もない。
深刻なのは、医療目的を隠して来日し、国保に加入して不当に安く治療する「招かれざる客」たちだ。
なぜ彼らは国保に入ることができるのか。
一つは「留学ビザ」を利用して入国する方法だ。
日本では3ヵ月以上の在留資格を持つ外国人は、国保に加入する義務がある(かつては1年間の在留が条件だったが、'12年に3ヵ月に短縮された)。つまり医療目的ではなく、留学目的で来日すれば合法的に医療保険が使えるのである。
多くの在留外国人が治療に訪れる国立国際医療研究センター病院の堀成美氏が語る。
「うちの病院で調査をしたところ、明らかに観光で日本に来ているはずなのに保険証を持っているなど、不整合なケースが少なくとも年間140件ほどありました。
国保の場合、住民登録をして保険料を支払えば、国籍は関係なく、だれでも健康保険証をもらえます。そうすると保険証をもらったその日から保険が使えるわけです。
来日してすぐの留学生が保険証を持って病院を訪れ、しかも高額な医療を受けるケースがありますが、普通に考えれば、深刻な病気を抱えている人は留学してきません。
来日してすぐに、もともと患っていた病気の高額な治療を求めて受診するケースでは、治療目的なのかと考える事例もあります」
さきほど「医療ツーリズム」の話に触れたが、日本の病院を訪れる中国人の間で、とりわけ需要が高いのがC型肝炎の治療である。特効薬のハーボニーは465万円(3ヵ月の投与)かかるが、国保に加入し、医療費助成制度を活用すれば月額2万円が上限となる。
肺がんなどの治療に使われる高額抗がん剤のオプジーボは、点滴静脈注射100mgで28万円。患者の状態にもよるが、1年間でおよそ1300万円の医療費がかかる計算になる。
仮に100人が国保を利用し、オプジーボを使えば1300万円×100人=13億円の医療費が使われることになる。ところが、国保に入っていさえすれば高額療養費制度が使えるので、実質負担は月5万円程度(年間60万円)。たとえ70歳や80歳の「ニセ留学生」でも保険証さえあれば、日本人と同じ値段で医療サービスを受けられるのだ。
だが現実問題として医療目的の偽装留学かどうかを見抜くのは難しい。外国人の入国管理を専門に取り扱う平島秀剛行政書士が言う。
「申請書類が揃っていれば年齢に関係なく、留学ビザを取ることができます。実際、高齢でも本当に日本語を学びたいという人もいますからね。厳しくやり過ぎると、外国人を不当に排除しているととられかねない」
「お人好し」な制度
また、留学ビザのほかに「経営・管理ビザ」で入国する方法もある。これは日本で事業を行う際に発行されるビザで、3ヵ月以上在留すれば国保に入ることができる。
この経営・管理ビザを取得するには、資本金500万円以上の会社を設立しなければならない。ただし、この500万円を一時的に借りて「見せガネ」として用意すれば、ビザ申請のためのペーパーカンパニーを立ち上げてくれるブローカーが存在する。さらにそういったブローカーとグルになって手引きする日本の行政書士もいるという。
日本の医療の信頼性を求めて、自由診療をいとわない中国人の富裕層が、こぞって日本に押し寄せていることは前述した。しかし、じつはそんな富裕層のなかにも、治療費を安く抑えようと、日本の保険証を取得する中国人は少なくないという。
医療ツーリズムを積極的に受け入れている医療法人の元理事が内情を語る。
「私がいた病院にやってくる中国人富裕層は、医療ツーリズムなどで高額な健康診断を受けたのち、いざ病気が見つかると、会社を設立し、経営・管理ビザをとって日本で治療するのです。彼らにとって医療ツーリズムは日本の病院の『下見』なんです。
知人ががんになった場合、書類上は日本にある自分の会社の社員にして、就労ビザを取得させる方法もあります。この手を使えば、だれでも日本の保険に入ることができる」
残念ながら、こうしたタダ乗りも日本では「合法」なのだ。
治療が終わればすぐ帰国
留学ビザや経営・管理ビザだけでなく、外国人が日本の公的医療保険を簡単に利用できる方法がある。本国にいる親族を「扶養」にすればいいのだ。
日本の企業に就職すれば、国籍関係なく社保に入ることが義務付けられている。社保は大別すると2種類に分けられる。
大企業であれば「健康保険組合」、中小企業の場合は「全国健康保険協会」(協会けんぽ)に加入する。すると外国人であっても家族を扶養扱いにすることができる。
たとえば子供が日本企業で働いていた場合、本国の両親や祖父母を扶養とすると、この両親や祖父母は日本の保険証がもらえる。日本に住んでもいないのに健康保険証を所有することができるのだ。
もし親族ががんになったとすれば、「特定活動ビザ」などを利用し、日本に呼び寄せ、日本の病院で高額な手術や抗がん剤治療を受けさせる。もちろん保険が利くので自己負担は1~3割で、高額療養費制度も使える。治療が終わればとっとと帰国しても、問題はない。
さらに本国に戻ってから治療を継続した場合、かかった医療費を日本の国民健康保険が一部負担してくれる「海外療養費支給制度」まである。
ほかにも日本の国保や社保に加入していれば、子供が生まれた際、役所に申請すれば「出生育児一時金」として42万円が受け取れる。これは海外で出産した場合も問題ない。
たとえば夫が日本に出稼ぎに来て、社保に加入すれば、本国に住む妻が子供を出産した際には42万円がもらえる。妻は日本で保険料を払っていないにもかかわらずだ。
前出の国立国際医療研究センターの堀氏は「在留期間が短く、十分な保険料を納めていない外国人が日本の保険制度を乱用すれば、国民皆保険の信頼が失われる」と危惧する。
「一部の外国人が保険制度のうま味だけを奪い取っていけば、真面目に保険料を納めてきた人には不公平感が生まれます。『フェアじゃない』と思うのが当然です。
『そんないいかげんな制度なら俺は払わない』という人が増えてきたら、それこそが制度の破綻につながってしまう」
身分や活動目的を偽って国保を利用しようとする外国人について厚労省は、「入国後1年以内の外国人が国民健康保険を使って高額な医療を受けようとした場合、『偽装滞在』の疑いがあれば入国管理局に報告するよう各自治体、医療機関に通達を出した」というが、そんな悠長なことを言っている時間はない。
外国人用の保険を作るなど、もう一度制度を見直さないと、日本の医療制度が先に崩壊するだろう。
(「週刊現代」5月21日発売号では、子どもが生まれたときに役所からもらえる「出産育児一時金」を巡る問題について、東京都荒川区の事例を中心に詳細に報じている。
荒川区では、出産育児一時金の受給者の4割が外国人となっている。もちろん、本来の理念に沿ってこの制度を利用するのなら、外国人が受給してもなんの問題もない。しかし丹念に調べていくと、今回の健康保険のように、明らかにモラルを逸脱したケースがいくつも見つかったという。)
「週刊現代」2018年5月26日号より
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