Views: 82632
名誉毀損でベトナム人(を)告訴 北海道の花畑牧場 [蚤の市★]
- 花畑牧場(北海道中札内村)のベトナム人労働者が寮の水道光熱費値上げに抗議した休業を理由に雇い止めされたと訴えている問題で、同社は14日、田中義剛社長の発言を断片的に切り取って情報発信したなどとして、ベトナム人3人を名誉毀損と信用毀損の疑いで告訴したとホームページ上で明らかにした。道警帯広署に受理されたとしている。
ベトナム人を支援する札幌地域労組の三苫文靖書記長は「告訴はやりすぎだ。日本の文化や法律が分からない圧倒的弱者に対して、一方的に損害賠償を請求したり、警察に訴えたりするべきではない。一線を越えたと思っている」と話した。
共同通信 2022/3/14 21:57 (JST)
3/14 23:42 (JST)updated
https://nordot.app/876087203137404928?c=39546741839462401
1
2022 年 2 月 28 日
関係各位
ベトナム人従業員に関する一連の報道について
株式会社花畑牧場
本年 2 月 24 日から報道されている一連の内容について、皆様にご心配をおかけしております旨、深くお詫
び申し上げます。ただし、報道された内容には事実と異なる部分や間違ったニュアンスで受け止められている
点があります。すでに当社から複数の報道機関に対しては個別に訂正の申入れを行っていますが、その件に関
連し、改めて当社からもコメントさせていただきます。
■ベトナム人従業員の不当雇い止め報道に関しまして
今回、「『不当雇い止め』団交要求 花畑牧場の外国人 40 人」「生キャラメルの花畑牧場 ベトナム人従業員
と対立 40 人雇止めか」などの見出しで報道されたため、あたかも当社が約 40 名のベトナム人に対して不当
な雇止めをしたかのような印象で受け取られてしまいました。
しかし、当社は、不当な雇止めをしていませんし、ましてや誰 1 人として解雇していません。しかも、41 名
(報道では 40 名とされていますが正確には 41 名です)のうち 17 名は期間満了による自主退職希望者です。
これらの点で報道は事実に反しています。
当社では、ベトナム人従業員の受入を約 1 年半前からはじめ、現在 135 名のベトナム人従業員を受け入れて
います。そして、この 135 名のベトナム人従業員は、毎年 3 月 15 日を契約期間の終期となっており、更新す
る者については毎年 3 月 16 日から翌年 3 月 15 日までの 1 年間の契約を締結することになっています。
今回、契約を更新しないことになったベトナム人従業員は 41 名ですが、契約期間満了日から 1 か月に個別
面談を実施し、17 名は契約期間満了に伴う自主退職希望者で、残りの 24 名は契約期間満了に伴う契約の終了
です。
新型コロナウイルス感染症の影響を克服しつつ事業を運営することは多くの事業者が直面している大きな
課題になっていますが、当社においても例外ではありません。当社はかねてから生産ラインの合理化を予定し
てきましたが、契約期間満了に伴い契約を終了することになった 24 名は、当社の生産ラインの合理化に伴う
ものです。なお、この 24 名の人選についてですが、当社は、契約期間中に勤務態度や勤務姿勢についての査
定を行っておりますので、当該査定結果に基づき登録支援機関にも相談して決定したものです(なお、この 24
名については、当社が委託している登録支援機関(FUNtoFUN 株式会社)が次の就職先を見つける制度にな
っています)。そして、これらの一連の手続については、労働基準監督署にも確認し、問題ないとの回答を得
たうえで実施しています。
2
なお、今回の一連の報道にはありませんでしたが、それ以外の約 90 名のベトナム人については合意の上で、
翌年についても契約を締結しています。
* 登録支援機関とは、特定技能所属機関(花畑牧場)から委託を受け、特定技能外国人の在留資格に基づく
活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支
援を行う機関です。
■水道光熱費の値上げによるストライキが行われたとの報道に関しまして
また、報道では「工場で働いていたベトナム人は、7000 円だった寮の水道光熱費が 2021 年 10 月に一方的
に値上げされ、1 月には約 1 万 5000 円とされたことに抗議し、38 人で事実上のストライキを敢行した」と労
働組合が説明した旨の報道がされていますので、この点についても説明いたします。
まず、当社が水道光熱費を一方的に値上げしたとの点ですが、事実と異なります。当社で就労するベトナム
人従業員のうち希望する者は、当社が用意した寮に入寮していただきます。当社とベトナム人従業員との契約
では、水道光熱費は入寮者であるベトナム人従業員に実費分を負担してもらう内容になっています。水道光熱
費は、その月の使用量によって支払額が変わるため、契約締結時には「年間平均 毎月 約 7,000 円」とおお
よその目安を説明しています(入国管理局に提出する書類にも記載されています)。しかし、コミュニケーシ
ョン上の齟齬により、ベトナム人従業員の間で「毎月 7000 円固定」という間違った認識がされてしまって
いたようです。そのような背景のもと、この冬の大寒波の影響等もあり、冬場の暖房代等が高騰し、昨年 11 月
分 7,096 円、昨年 12 月分 9,862 円、本年 1 月分 15,386 円の負担となったことから、ベトナム人従業員の間で
不平や不満が蔓延したのだと認識しています。このように、水道光熱費の額が増加したのは、もともと負担し
て貰う実費分が増えたもので、当社が一方的に値上げしたものではありません。
次に、ベトナム人従業員がストライキを敢行したとの点ですが、事実と異なります。本年 1 月 25 日(火)
に支給された給与明細で 1 月負担分の水道光熱費の額を知り、不満を抱いたベトナム人従業員約 40 名が、翌
日の1月 26 日(水)の朝、寮から第 2 工場に到着しました。ベトナム人従業員は、普段は作業着に着替えて
その日の稼働に入るのですが、この日は着替えることなく集団で集まり、就労を拒否し、当社に「会社が 7000
円から増額した分の水道光熱費を負担しろ」と申入れを行いました。
突然、ベトナム人従業員が就業拒否の姿勢を示したため、当社代表者はすぐに現場に赴き、話し合いを試み
ました。ベトナム人従業員からの申入れは、契約内容とは異なる申入れでしたが、このまま稼働を止められて
は困るのと、無用の論争を避けたいとの想いから、当社代表者は、その場で「この問題は必ず解決する。2 日
間待って欲しい。通常どおり働いて欲しい」と伝えました。この 2 日間というのは、支払方法や支払いのタイ
ミングを確認するために手続上必要な期間です。
ところが、約 40 名のベトナム人従業員は「信用できないから帰る!」と言い放ち、その日の仕事を放棄し、
寮に帰宅してしまいました。それによって当社は工場の生産ラインを稼働できなくなり、大きな損害を被りま
した。
当社には労働組合はありませんし、当社代表者宛に事前に交渉の申入れを受けた事実もありませんので、当
3
社としてはこの日のベトナム人従業員の行為は、単なる就労拒否と職場放棄であり、正当な団体交渉権の行使
ではないと認識しています。
事前に話し合いの機会や相談があれば、当社としても、当然のことながら誤解を説く努力もしますし、当日
その場で提案したような誠実な対応を予め行うこともできますが、今回の出来事は、ある日唐突に起きたこと
で、当社にとっても正に晴天の霹靂といえる出来事でした。
なお、本年 1 月 25 日(上記の就労拒否と職場放棄の前日)には、上記の工場(第 2 工場)とは別の工
場(第 3 工場)に勤務する 20 名のベトナム人従業員から、当社の工場長は「水道光熱費の増額分を会社
が負担しないなら明日、仕事には行かない!」との申し出を受けています。これを受けて、当社は、本年
1 月 26 日の工場の稼働予定を変更する決定をしました。結局この 20 名のベトナム人従業員は本年 1 月
26 日に工場に来たので工場は稼働できましたが、計画どおりの稼働にはなりませんでした。
■当社の行った職場放棄者等への対応に関して
上記の一連の就労拒否と職場放棄は、リーダー4 名が他のベトナム人従業員を扇動して行ったものであ
り、このような形で違法な就労拒否と職場放棄に導いたリーダー4 名に対しては、事柄の重大性や職場秩
序に与えた影響を考え各 50 万円の損害賠償請求を行いました(金額が 50 万円となっているのは暫定的
なもので実際の損害額はさらに大きいものです。また 4 名のうち 1 名は「自分は他の 3 名に巻き込まれ
た」と説明しているため、当該 1 名への請求は行わないことも検討しています)。当社は、職場に対する
不平や不満、就労に関する不安が生じた場合には、直ちに職場を放棄して会社に要求を飲ませようとす
るのではなく、まずは話し合いによって解決をしてほしいとの想いから、顧問弁護士と顧問社会保険労
務士に相談しながら、今回の措置を進めました。
また、当社は、集団で就労拒否と職場放棄を行った 41 名を含む 81 名(今回の就労拒否と職場放棄に参
画した者)に対しては、当社就業規則に基づき懲罰委員会を開催して、1週間の出勤停止処分としまし
た。なお、1 部の者(今回のリーダー1 名が含まれています)は、北海道にまん延防止等重点措置が発令
され、寮の間での部屋の行き来を禁止している中で、寮に 7 名を集めた宴会を実施し、近隣からクレー
ムがでたため、別途社内処分を行いました。
■最後に花畑牧場から皆様へ
今回、リーダー4 名(4 名のうち 1 名は「自分は他の 3 名に巻き込まれた」と説明しているため本日時
点で今後も労働組合活動を続けるのかは確認できていません)が労働組合を結成して、当社との団体交
渉を求めていますので、当社は団体交渉の場で話し合いをしていきます。
今回、ベトナム人従業員の代表と称して当社に団体交渉を申し入れている 3 名のうち2名は、もとも
と職場のリーダーで、当社はリーダーとしての手当 2 万円を月額給料に加算して支払ってきました。リ
ーダーに期待される役割は、職場に不平や不満を持った従業員がいた場合や、就労に不安を抱える他の
従業員がいた場合には、その話に耳を傾け、当社と橋渡しをしてもらい、一緒に課題解決に向けて取り組
むことです。ところが、今回 2 名のリーダーがとった行動はこれとは全く異なるものでした。
4
また、一部、当社がベトナム人従業員を不当に扱ったかのような印象を持たれた方がおり、それはとて
も残念に思います。当社のベトナム人従業員の日常生活についての相談対応は、登録支援機関
(FUNtoFUN 株式会社)が行っています。登録支援機関では、135 名のベトナム人従業員に対し、専属の通
訳 2 名、専門スタッフ 1 名を常置して、ベトナム人従業員が日常生活において困ることがないようにきめ細か
なサポートを行っています。また、当社は、日々の就労環境の整備はもちろん、全従業員に対するハラスメン
ト防止措置や教育指導を実施するなど、ベトナム人従業員にとって良い就労環境を提供できるよう努めてきま
した。さらに、昨年 11 月末には 2 回に分けて、当社で働くベトナム人従業員全員のために、当社のカフェ
を開放してクリスマスパーティーを実施し、ベトナム料理を振る舞い、各人に景品やクリスマスプレゼ
ントを用意し、特別賞与を支給するなどしました。その際、殆ど全てのベトナム人従業員皆から感謝の言
葉をもらい、嬉しく感じましたし、今後も良好な関係を続けていけるものと確信していたところでした
(逆に日本人の当社従業員からは「ベトナム人にだけ優しいのでは」といった声があがることもありま
した)。そのような経緯があっただけに、その僅か 1 か月後に突然前触れもなく行われた今回の就労拒否
と職場放棄には、当社としても深い悲しみを感じています。
今回の一連の出来事により、ベトナム人従業員の採用に関して躊躇を感じる事業者の方もいらっしゃ
るかもしれません。当社としても、突然の就労拒否や職場放棄、そして事実と異なる報道によって被った
痛手は大きく、一部のベトナム人従業員の行動によってそのような事態に陥ってしまったことをとても
残念に感じています。しかしながら、当社では本日も、約 90 名のベトナム人従業員が真面目に一生懸命
働いてくれていますし、殆どのベトナム人従業員は真面目に一生懸命就労してくれる人々なのだと信じ
ています。そのため、当社で起きた今回の突然の就労拒否や職場放棄といった出来事を、ベトナム人従業
員全体で生じ得る出来事と捉えることなく、今後のベトナム人従業員との良好な関係性の維持や発展に
向けた糧として受け止めていただけると幸いです。
この制度自体まだ日が浅く、当社の受け入れ実績も浅いため、至らない点はあるにせよ、当社は今後も
当社で働いてくれるベトナム人従業員全員がより良い就労環境で働けるための環境を整えていきますの
で、これまでと変わらぬご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
以上
1
2022 年 3 月 14 日
関係各位
ベトナム人従業員に関する一連の報道について 2
株式会社花畑牧場
本年 2 月 24 日から報道されている一連の内容について皆様にご心配をおかけしており、深くお詫び申し上
げます。当社の見解は、本年 2 月 28 日付「ベトナム人従業員に関する一連の報道について」ですでにお伝え
しているとおりですが、その後の時間の経過を踏まえ、以下のとおり報告いたします。
■労働組合(ベトナム人従業員)との団体交渉の状況について
本日 16 時~第 1 回目の団体交渉が行われました。当社は、当社に非がある点については速やかに是正した
うえで、話し合いにより本件を早期に解決したいとの姿勢で対応を進めております。
第 1 回目の団体交渉では最終的な合意に達することはできませんでしたが、予定されている第 2 回目の団体
交渉での合意形成に向けて、引き続き当社に求められている課題の検討を進めて参ります。
なお、第 1 回目の団体交渉に向けて準備を進める過程で判明した事実がありますので、説明いたします。当
社は 2020 年 9 月から登録支援機関である FUN To FUN 株式会社(以下「FUN To FUN 社」といいます)を通
じて特定技能及び特定活動の在留資格を有するベトナム人の受入を行ってきました。当社では特定技能及び特
定活動の在留資格を有する外国人の受入実績がなかったため、登録支援機関である FUN To FUN 社との間で
2020 年 9 月 1 日付「支援委託契約」(以下「支援委託契約」といいます)を締結し、当社が受け入れるベトナ
ム人従業員に対する各種支援業務を同社に委託しながら対応を進めてきました。当社と FUN To FUN 社とは、
毎週 1 回の報告連絡会議や、それ以外の場面でも随時情報交換を行いながら必要とされる課題の検討や対応を
進めてきましたが、そのような中で今回の一連の出来事が発生してしまいました。
当社の手元にあるベトナム人従業員との「労働条件通知書」の契約期間の終期は本年 3 月 15 日になってい
ましたが、ベトナム人等との間での書面等のやりとりは全て FUN To FUN 社を通じて行っていたため、当社は
本年 2 月 4 日に改めて FUN To FUN 社の担当者に確認し、担当者からは「契約期間の終期が 3 月 15 日で問題
ない」との回答を得たうえで、契約期間の終了に向けた今回の対応を進めていました。ところが、その後、当
社の手元にある「労働条件通知書」の記載とは異なる契約期間の終期が記載された「雇用条件書」が FUN To
FUN 社を通じて出入国在留管理庁に提出されていたことが発覚しました。
当社は、本年 3 月 7 日に改めて、FUN To FUN 社にこの点を問合せたところ、同社はこのような重大な事実
を把握していなかったことを認めていました(その後、当社が FUN To FUN 社に対して書面による回答を求め
ましたが、同社は一転して当社に対して「契約期間の確認不足や情報提供不足」を否定する旨の回答をしてき
ました。当社は改めて本年 3 月 7 日の面談時の内容を録取した当社保有の音声ファイルデータ等を確認しまし
たが、そこには FUN To FUN 社による確認不足や情報提供不足を認める内容の記録が残っていました。それに
2
も関わらず何故回答内容を変更してきたのか、FUN To FUN 社の意図は現時点では明らかではありませんので、
引き続き当社は FUN To FUN 社に対する確認作業を進めていきます)。
また、FUN To FUN 社との支援委託契約の中で、ベトナム人従業員の日常生活における相談・苦情への対応
は FUN To FUN 社が行うことになっており、今回の問題の発端となった水道光熱費についての相談・苦情も同
社のもとには 2021 年 11 月ころから多数寄せられていたことが発覚しました。しかしながら、FUN To FUN 社
から当社に対しては、水道光熱費に関する相談・苦情が重大な事象として十分に報告される機会がないまま、
突如、本年 1 月 26 日の朝にベトナム人従業員らによる職場放棄の出来事が発生したという経緯です。当社と
しては、予め FUN To FUN 社に寄せられていた水道光熱費に関する相談・苦情を把握できていれば、速やかに
是正し、又は求められる話し合いをすることができたと考えており、FUN To FUN 社を通じたやりとりの中で
コミュニケーション上の問題が生じたことは非常に残念に感じていますし、ベトナム人従業員に対しても申し
訳なく感じています。
当社としても、特定技能及び特定活動の在留資格を有する外国人労働者の受入実績や経験がない中で、国が
認めた登録支援機関である FUN To FUN 社に全面的に委託したうえで、不明点等は随時相談や確認を行いなが
らベトナム人従業員の受入やその後の対応を進めてきました。それにもかかわらず、FUN To FUN 社に委託し
て行っていた手続や、運用面での確認不足・情報提供不足など、当社と FUN To FUN 社との間のコミュニケー
ション不足が今回の一連の出来事を招いてしまったことは、とても残念に感じています。現在も FUN To FUN
社を通じて受け入れた約 100 名近いベトナム人従業員が当社で働いてくれていますので、当社は労働組合との
団体交渉と並行して、FUN To FUN 社との間で、本件が生じた理由や、今後同様のことが起きないようにする
ための再発防止策の検討等の話し合いを進めて参ります。
■名誉棄損罪及び信用棄損罪に基づく刑事告訴が本年 3 月 9 日付で釧路方面帯広警察署に受理されました
当社及び当社代表者は、釧路方面帯広警察署に対し、ベトナム人従業員 3 名(ベトナム人従業員以外の行為
者がいる場合にはそれらの者も対象に含まれます)に対して名誉棄損罪及び信用棄損罪に基づき刑事告訴を行
い、帯広警察署の担当の捜査官から「正式に刑事告訴として 3 月 9 日付で受理されました。今後、必要な捜査
を進めていく状況です」との回答を得ています。当社が刑事告訴を行った理由や経緯を、以下、説明させてい
ただきます。
本年 3 月 1 日に「花畑牧場、ストライキ事前認識か ベトナム人側『主張違う』」という見出しのもとに共
同通信社が報道し、翌日には同社によって「【速報】花畑牧場、スト事前認識か ベトナム人側『主張違う』」の
見出しをつけて 21 秒の音声データファイルが YouTube を通じてインターネット上にアップされるという出来
事がありました。
誰の発案でこのような形式での報道がされることになったのかについては、現在、警察にも相談したうえで
事実関係を確認しているところですが、少なくとも音声データファイルの一部分(21 秒間)のみが切り取られ
て使用されてしまったことで、世間の誤解や憶測を呼び込む方法で偏った情報が伝わってしまいました。
3
当社でも当日の音声データファイルは保有していますが、当社が保有している当日の音声データファイルは
全体で 38 分 56 秒におよびます。今回何者かによって切り取られて使用された部分を含むひとまとまりの発
言内容の全文は以下に示す内容であり、当社代表者は、当社が従前から説明している「当社には労働組合はあ
りませんし、当社代表者宛に事前に交渉の申入れを受けた事実もありません」との内容を覆すものではなく、
他の部分と合わせて読めば「一般論としてはストライキという方法もあるが、今回の話し合いはストライキで
はないし、話し合いで解決すべきだ」という文脈の中で伝えられたものであることは明らかです。
〇当社代表(音声データファイル 28 分 50 秒あたりから/切り取られた部分はグレーで表示した箇所)
1 つ大事なのは、日本でまとまってね。ストライキというの日本の言葉は。みんながまとまって仕事をしな
い。会社が困るでしょ。そうやって要望をとおす。こういったやり方はストライキという。これは。それは、
そういったやり方もあるのね。みんなでやって。だけど、お互いに損するのは、うちの方としては、仕事が、
それなりに工夫してやれば何とかなります。でも、みなさんは、その間、彼らも給料はでない。結局、金曜日
に解決したら、こういうことをやったということで、お互いに信用がなくなるよ。何かあったらこういうこと
をするんだと思うでしょ。うちは。みんなは会社が信用できないからやったんだという、これは話し合いで解
決すべきだと思う。
(この点、ベトナム人従業員が所属する札幌地域労組の Facebook アカウントにおいて、同組合は「【音声】拡
散お願い致します。田中義剛社長の発言を公開します」のメッセージを掲載したまま上記の切り取られた部分
の音声データファイルがアップロードされている YouTube アカウントへのリンクを掲示する形で、拡散を要
求し続けています)
このように、何者かが音声データファイルの一部分(21 秒間)のみを意図的に切り取って使用し、それが拡
散され続けていることで、当社や当社代表者の名誉、信用などの社会的な評価が著しく棄損されています。実
際に、本年 3 月 3 日及び同月 10 日に予定されていた当社代表者出演予定のテレビ番組も内容の変更を余儀な
くされ、それに基づく売上の減少や得られるべき利益の喪失など、当社には現実的な損害も発生しています。
当社は、本年 1 月 26 日に発生したベトナム人従業員による職場放棄を巡る一連の問題については、労働組
合からの要請に基づき、現在進められている団体交渉の手続の中で誠意をもって対応していますし、今後も早
期の解決に向けた話し合いを進めていくつもりです。
それにもかかわらず、団体交渉の手続以外の場面で、(当日のやりとりの記録を当社が保有していないと想
定してなのか)何者かが音声データファイルの一部分(21 秒間)のみを意図的に切り取って情報発信を行った
のは、当社に対する悪意や自分たちの売名の意図もあるかもしれませんが、当社代表者が話し合いの中で「ス
トライキ」という単語を発したことに気づき、その部分だけを断片的に切り取って SNS 等を通じた情報発信
や情報拡散を行うことで、あたかもベトナム人従業員の行った職場放棄を、当社代表者がストライキと認めて
いたかのような状況を作出し、当社や当社代表者に反感を抱くように世論を誘導し、そのことで当社や当社代
表者の立場を貶めて、進行中の団体交渉を自分たちの有利に進めようとしたものとも考えられます。
4
このような意図に基づいて音声データファイルの一部分(21 秒間)のみを切り取って使用することで、当社
や当社代表者の名誉、信用などの社会的な評価を低下させる方向での情報操作や情報拡散がなされていること
について、当社及び当社代表者は、正常な事業活動や、これまでのような社会生活が営めなくなるのではない
かという恐怖や脅威を感じています。
昨今、本件に限らず、SNS 等を利用して虚偽の情報を拡散したり、むやみに個人を誹謗中傷したり、あるい
は特定個人を非難することで、相手の社会的地位を低下させたり、若しくは相手を精神的に追い詰める行為は、
暴力的な権利侵害行為として、大きな社会問題になっています。団体交渉という話し合いの場が設定されてい
る本件において、まさかこのようなことが行われるとは思っておりませんでしたが、何者かが平然とこのよう
な行為を行ってきたことについて、当社と当社代表者は、底知れぬ恐怖を感じており、当社や当社代表者の名
誉、信用などの社会的な評価の回復のために、今回の手続を進めています。
■本件の解決に向けて
当社は、ベトナム人従業員 4 名(4 名のうち 1 名は「自分は他の 3 名に巻き込まれた」と説明し労働組合を
脱退していると聞いています)が加入した労働組合と誠実に話し合いを進める意向に変わりはありません。
しかし、団体交渉の場以外で、今後も同様の行為が繰り返される可能性があり、その点については当社や当
社代表者の名誉、信用、イメージを守るために毅然とした対応をせざるを得ません。
団体交渉は、あくまで相互理解に向けた話し合いの場です。そして、話し合いの前提として、互いに認識す
る事実関係や資料から明らかになる事実関係に基づき、相手の立場や置かれている地位を理解しあった中で誠
実に協議や話し合いが行われるべきです。
それにも関わらず、今回のように双方の合意のもとで設定された団体交渉の話し合いの場以外で、誰のどの
ような意図に基づく行為かは測り兼ねますが、徒に当社や当社代表者の名誉、信用、イメージを低下させるよ
うな言動を行い、相手の立場を貶める行為は決して許されるべきではありません。
ましてや本件の背景には、特定技能及び特定活動の在留資格を有してわが国で真面目に働く多くのベトナム
人労働者がいます(当社でも、本件の騒動に関わらず、本日現在も 100 名近いベトナム人従業員が就労してく
れています)。
当社は、本件に関する情報が曲解されて伝わり、拡散されてしまうことは、多くのベトナム人労働者の就労
環境の悪化や就労機会の減少につながりかねないのではないかと危惧しています。繰り返しになりますが、当
社の対応に非があるのであれば、当社は速やかに是正し、対応をする予定です。それにも関わらず、当社に対
する悪意又は自らの売名の意図等に基づいて行われる情報拡散行為は、本件の解決を難しくするばかりか、問
題のすそ野を拡げるだけであり有害な行為です。
5
つきましては、関係各位におかれましても、今後も団体交渉の場以外での不必要な情報拡散行為をなされな
いよう、切にお願いいたします。
以上
- 花畑牧場(北海道中札内村)のベトナム人労働者が寮の水道光熱費値上げに抗議した事実上のストライキを理由に雇い止めされたと訴えている問題で、入管当局にベトナム人側と交わした書類とは異なる契約期間の文書が提出されていたことが15日、複数の関係者への取材で分かった。入管は虚偽の届け出に当たる可能性があるとして、調査を始めた。
関係者によると、昨年3月15日付のベトナム人労働者との「労働条件通知書」では、契約期間が「2022年3月15日まで」となっている一方、昨年10月20日付で入管に提出された「雇用条件書」では期間が「22年10月31日まで」となっていた。
花畑牧場ストライキ騒動が和解》「申し訳ありませんでした」田中義剛社長(64)がジーパン姿で深々と頭を下げて… 損害賠償請求や刑事告訴も取り下げへ
2月24日に記者会見を開いて窮状を訴えていたベトナム人女性従業員の1人
タレントの田中義剛氏(64)が社長を務める花畑牧場で1月から続いていたベトナム人従業員との労使紛争が、3月18日に和解したことが文春オンラインの取材でわかった。 【写真】花畑牧場が謝罪した「和解協定書」 ことの発端は、ベトナム人従業員らの給料から毎月7000円天引きされていた「水道光熱費」が告知も交渉もなしに昨年10月から徐々に増額されたことだった。今年1月には元の倍以上の1万5000円に引き上げられ、危機感を感じたベトナム人従業員たち約40名は「水道光熱費」の増額について説明を求めた。しかし花畑牧場側からは満足のいく回答が得られず、約120人いるベトナム人従業員のうち40人ほどが、1月26日にストライキを実行した。 それに対して花畑牧場は、ストライキを主導したとしてリーダー格とされたベトナム人女性従業員2人と男性従業員1人(当初は4人)に2月18日に計200万円の損害賠償を請求し、3月9日には同じ3人の従業員に対して名誉棄損、信用棄損の罪で刑事告訴していた。 しかし3日18日の13時頃に、札幌市内にある花畑牧場の代理人弁護士事務所を田中氏が訪れ、ベトナム人従業員側の代理人を務める札幌地域労組の鈴木一副委員長との話し合いが実現した。 田中氏はトレードマークのジーパン姿で事務所に現れ、真剣な表情で非を認めたという。立ち上がると、ベトナム人元従業員3人に行った行為に対して「この度は不適切な対応があり、申し訳ありませんでした」と、深々と頭を下げたという。 さらにその席で、田中氏はベトナム人労働者3名への損害賠償請求と刑事告訴を取り下げることを約束し、これまで3人との労働契約は3月15日で満了したと主張していたが、本来の契約期間である10月までの給料も解決金として支払う意向を伝えた。
「文春オンライン」取材班が入手した花畑牧場と札幌地域労働組合が妥結した和解協定書には、ベトナム人従業員側の希望が全面的に取り入れられ、以下のような取り決めがなされている。 「会社は、雇用するベトナム人労働者に対する、水道光熱費の値上げから始まる一連の対応が不適切であったことを認め、ベトナム人労働者に対し謝罪する」 「会社は、ベトナム人労働者が行ったストライキへの200万円の損害賠償請求、および組合員3人への刑事告訴について、理由がないことを認め、これを取り下げる」 「会社は、本件紛争の解決金として●●●●、●●●●および●●●●に対し以下の金員を支払う」※伏字は元従業員3人の名前 「会社は、自社のホームページのトップ画面に、ベトナム人労働者に対する一連の不適切行為への謝罪文を1週間掲載する」 話し合いに同席した札幌地域労組の鈴木副委員長は、文春オンラインの取材にこう答えた。 「田中社長は潔く『申し訳ありませんでした。これからも相談に乗ってください』と、誠実に謝罪をされました。ベトナム人従業員の3人が求めていたほかの要求もほぼ認められ、和解成立となりました。和解を伝えたら、飛び上がるように喜んでいました。3人は日本を気に入っていて、今後も日本で仕事をしてベトナムの両親に仕送りをしたいと思っています。就職活動も始める予定だそうです」 日本を夢見てベトナムからやってきた3人の訴えが認められる形で騒動は決着した。花畑牧場は「外国人労働者に対する不適切な対応を真摯に反省し、再発防止に努める」という。
返信する