社会問題

都外郭団体ウェルネスエイジで高齢者が暴行被害!原因は傲慢な都行政?

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  今でこそ、容態は安定してきているものの、被害者老人は当時の様子を痛々しく振り返る。「プールで泳いでいる最中にですよ、プールサイドから洋服着たまま飛び込んできて、泳いで疲れ切ってる私にがっぷり組みついてきたんです。びっくりして慌てている私を力ずくで押さえ込んで水中から引きずり出そうとしてきたんです」

翌日に撮影された負傷部分の写真を見ると首周りは真っ赤に内出血している様子が見て取れる。診断書によると、背部打撲、擦過傷、右第8・9肋骨骨折で全治六週間、さらに別の眼科医院からは上下斜視との診断まで出されている。かなり強い力で圧迫されたことが想像できる。

それもそのはず、暴行したのは体力有り余る見た目は30代ほどのトレーニングジム担当者で、暴行を受けた被害者は今年で齢73歳になる老人だ。

年齢差を見ただけでも危険だし、暴行が起きたのがプール内となれば、死亡事故になってもおかしくない状況だ。不全骨折、斜視で済んだだけでも奇跡だったのかもしれない。しかもこの負傷した老人にさらなる災いが降りかかる。

「このままだと死ぬかもしれないという思いから、必死でその場で相手から逃れようとに抵抗しました」やっとの思いで相手の手を振りほどいて、プールサイドに戻ったものの、相手にかなり強く押さえつけられたせいで、頭はクラクラし、背中は針を刺すような痛みがありました。恐怖と痛みで何をどうすればいいのかわからなかったものの、とにかく必死でその場から警察に電話をして、駆け付けた警察官に助けを求めたといいます。

一方はガタイのいい若者、対する相手はその若者の二倍近い年齢の負傷した老人。誰がどう見てもどちらが被害者か一目瞭然であるが、現場に駆け付けた新宿警察の警察官はその暴行男を逮捕するのではなく、驚いたことに、その被害者の老人も暴力をふるったとのことで、被疑者扱いしてきたのだといいます。

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休憩時間を無視した老人が悪いのか?

この暴行事件が起きた現場は、新宿駅から歩いて十分ほどの東京都所有のハイジアビル内にあるウェルネスエイジというスポーツジムだ。

被害者老人は、このプールを土曜日になるとちょくちょく利用していたという。普段はプールの大部分を団体客が使用し、一般客である被害者老人たちの使用が許されているのは小さなスペースでした。 暴行事件が起きた日は8月15日、お盆だったこともあり団体客はなく、プールは一般客のみで、団体客が普段使っているような感じで、一般客がプールを使用できたといいます。

いつもは一般客は細かな休憩時間を強いられていましたが、団体客がプールを使用しているときは、休憩時間なしでの使用が許されているので、この日は、団体客が利用しているのと同じように、休憩時間なしで使えるのだろうと思い、顔なじみの職員に、休憩なしで使用したい旨を伝えたところ、特に拒否の返事もなかったので、休憩時間を気にせずに泳いでいたといいます。

すると、普段プールを監視している人ではなく、ジムを担当している若者がやってきて「休憩時間だからプールから出ろ」と叫んできたといいます。

同じ場所を団体客は普段休憩なしで使っているし、事前に顔なじみのプール監視員に休憩なしで使うことに関してダメだとも言われていなかったので、プールから出ろという指示に戸惑いを覚えましたが、とりあえずプールの出入り口となる階段があるところに戻ってプールから出ようと、そこまで泳ぎ戻っていたところ、突然その若者が、驚くべきことにトレーナーやシャツ、マスクまでつけたまま、まさに着の身着のままプールに飛び込んできて、泳いでいる途中の私の首に手をかけて冒頭のような状況になったといいます。

どれほどの緊急事態だったのでしょうか。

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なぜか対応しようとしない警察官

事件に至るいきさつに関しては双方なりの言い分があるでしょう。しかし、現場で被害状況を見れば、誰がどう見ても老人が被害者である傷害事件であることは明らかです。理由がなんであれ、法律では先に手を出したほうが加害者となります。まして、被害老人が目に見えて負傷しているなら疑問の余地はありません。

しかしなぜか現場の警察官の対応は遅く、現場で判断を下せず、何度もその場から電話をかけて上司の判断を仰いでいたといいます。

やがて警察官が出した答えは、加害者の若者と、被害者老人が双方和解をしてくれ、というものでした。被害者老人は耳を疑ったといいます。

日本は法治国家、警察は法の番人です。軽く警察官に触れただけでも、公務執行妨害という名のものとに現行犯逮捕することもある警察官が、なぜ目の前にいる、老人に対して暴力をふるって負傷させたことが明らかな若者を逮捕しないのでしょう。さらに和解しろとは、法律は何のためにあって、警察は何のためにいるのでしょう。

仮に和解するのであれば、その和解の相手はどこの誰なのか、どこに所属しているのか、所属している運営会社は何なのか、それが知らされてもいいようなものですが、そうしたことに関して、警察は教えてくれないし、暴行犯である若者も、その仲間である従業員もひたすら隠して言おうとしません。隠ぺいです。どこの誰だかわからない人間と和解しろというわけです。どこの誰だかわからない人間にどうやって治療費を請求すればいいのでしょうか?

被害者老人は、警察官の和解勧告を受けたときに、暴力によって受けた傷の痛みも忘れるほどの怒りが湧いてきたといいます。

状況を知らない警察官の勝手な判断で、被害が握りつぶされてしまうのではないかという恐怖感から、暴行した若者と負傷した老人のどちらが正しいのか、法の判断を仰げるよう、必死で警察官に食らいついたといいます。

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抵抗したら加害者と同じ犯罪者と被害者を被疑者扱いの新宿警察

結局その場で3時間も待たされ、ようやく正式に被害として受理してもらうために、警察署に移動となりました。 ところが今度は警察署でさらに驚くべき展開が待ち受けていたのです。

被害者のはずの老人の指紋を採取して、写真を撮って被疑者として取り調べ始めたのだといいます。

取り調べの警察官に理由を問いただしたところ、老人が若者に対抗したからだといいます。 自分の年の半分にも及ばなそうな体力も気力も充実した若者に、泳いでいる途中に手を出されれば、溺れる危険性だってあるから、誰だって自分の身を守るために必死に抵抗するでしょう。それを、先に暴力を振るってきた若者と同じような扱いを受けたのです。取り調べの警察官は次のように言ったそうです。「あなたのほうが罪は軽いけど、抵抗したらあなたも犯罪者だ」と。結局警察の取り調べは翌朝4時まで続いたといいます。通報から12時間近くかかったことになります。

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行政と外郭団体である東京都福祉保健財団のおごり

長年実業界の一線で活躍してきたという被害者老人は、今回のこうしたことが起こる背景には、運営母体の行政と外郭団体である東京都福祉保健財団の怠慢とおごりから生じるものではないかと指摘しています。

被害者老人は、普段からこのプールに通っていましたが、このプール運営の異常さを常々感じていたといいます。

ウェルネスエイジは、税金をたっぷりつぎ込まれていることもあってか、運営母体である東京都福祉保健財団は表向きは「東京都民の健康づくりの場として提供している」と言うものの、実際は開館時間は火曜から土曜までの午前9時から午後5時で、しかもプールは常に団体貸し切り最優先で一般客がまともに使える時間は非常に少ないのです。普通の会社勤めをしている人は、平日は全く使えないことになりますし、土曜に来ても、貸し切り団体客優先の中、狭い場所を休憩時間に挟まれながらの使用を強制されるわけです。

東京都には税金で運営されている似たようなスポーツ施設が50ちかくありますが、17時に閉館、日曜日休館などという、ふざけた営業時間で運営しているのは、東京都福祉保健財団のウェルネスエイジだけなのです。

そこで、もっと都民が使いやすいよう運営体制を改善するように、被害者老人はかなり前から施設の所長や部長などに提案をしていたものの、一蹴されていて、一向に改善される気配がなかったといいます。

それどころか、それを知った今回の加害者である若者は被害者老人をこともあろうにクレーマー扱いし「他の施設に行ってくれ」と罵声を浴びせたといいます。

この場所は、東京都の税金によって運営されている施設ですから、都民はお客さんであり、なおかつ、スポンサーみたいなものでもあります。それなのに、おの施設の職員が、都民である利用者に向かって「他の施設に行ってくれ」と罵声を浴びせるとは、どれほど、ひどい勘違いなのでしょうか。

仮にこの施設が民間の施設であれば、まだ若者の言いぐさもわからなくもないですが、この施設は市民の税金で市民のために運営されているものですから、 被害者老人の運営体制に関する提案は、クレーマー扱いされるようなものではありません。その上、被害者老人は、その若者から一方的に悪意と敵意を持たれるようになったのです。

その加害者である若者にとって、施設改善の提案はまったく関係のないことです。しかし、あたかも自分たちに逆らうものを全て悪者扱いにする若者の様子は、まさに、東京都外郭団体のおごりそのものなのです。

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高級ホテルヒルトンとハイアットリージェンシーの間にある東京都福祉保健財団の事務所

このプールがあるのは新宿駅からほど近い世界でも有数の巨大な歓楽街歌舞伎町という一等地という、恵まれた土地にあります。民間が運営していれば、年間何億、何十億と利益を生み出すような施設ですが、実態は東京都が所有し運営し、何億円もの利益を生み出すどころが、逆に赤字を垂れ流し放題垂れ流し、その穴埋めと称して巨額の税金がつぎ込まれて運営されているのです。

福祉施設があるというのは、大変意義深いことだとは思いますが、しかし、福祉という名のもとに、でたらめな運営がなされているとなれば、それは話が違ってきます。

福祉が営利目的で運営されるべきではないかもしれませんが、だからといって、無尽蔵に税金を投入して、浪費していいというものではないはずです。

まして、税金を納めている都民一人一人を尊重しないどころか、自分たちのやりたい放題で威張り腐って、暴力ふるって、問題起こしても責任取らずに知らんぷりとは、社会福祉保健財団は東京都の外郭団体でありながらも反社会勢力と変わりありません。

隠ぺい体質と無責任さ

この暴力沙汰は、警察によって受理され、正式に暴力事件となりました。しかし、ウェルネスエイジ側からは、事件発生から一か月たってもなんら謝罪もありません。被害者老人はウェルネスエイジの会員ですから、ウェルネスエイジ側が被害者老人の連絡先を知らないということはありません。ウェルネスエイジは被害者老人の個人情報を全て知っているのです。

要するに、ウェルネスエイジ側は、このことに関して、責任がないとでも思っているのでしょうか。であれば、暴力をふるった若者との関係、所在を明らかにすべきでしょう。しかし、謝罪もしなければ情報も明らかにしようとしない。無責任かつ隠ぺい体質なのです。これでは、被害者老人も、受けた被害の治療費慰謝料の請求先さえわかりません。誰も責任を取らないし聞かれても隠ぺいする、まさに見えない悪魔、それが東京都福祉保健財団という東京都外郭団体なのです。

口先だけは非を認める東京都福祉保健財団

この暴行事件に関して、東京都福祉保健財団に取材を申し込むと、理事長と部長が取材に応じた。

この暴行事件は警察沙汰にまで発展したこともあり、当日に理事長にまで報告が上がったという。理事長はこの暴行事件はウェルネスエイジの職員側に明らかな非があることをはっきりと認めた。しかしながら、驚いたことに、それに対して東京都福祉保健財団としては、被害者側に対しては何の対応も考えていないという。被害者老人が不全骨折及び斜視という被害を負ったというのにである。

なぜなら、まずこの暴行事件は、まず当事者間の問題であり、警察が介入もしていることもあり、警察の判断を待ってからだというのだ。そもそも、東京都福祉保健財団としては、ウェルネスエイジの運営は、株式会社オーエンスに業務委託をしているのであり、オーエンス側が対応すべきことだと冷たく突き放す。もちろん、株式会社オーエンス側からも被害者に対して対応どころか謝罪さえもない。

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株式会社オーエンス 代表取締役社長 大木 一雄

一応、東京都福祉保健財団の対応としては、加害者の職員の勤務停止を命じ、他の職員に対しての教育を徹底したとしたり顔で答えるものの、被害者への対応に対しては、どこか消極的だ。

理事長はウェルネスエイジ側の非を認めていながらも、被害者への対応に関しては、委託先の問題だ、民事の問題だ、警察の対応を見守ると、どこか逃げ回るような言い逃れをして、積極的な対応に乗り出そうとしない。事なかれ主義の無責任、まさに典型的な行政の態度だ。

「福祉保健医療を必要とするすべての都民の幸せと安心、笑顔をめざす」という理念を持つ東京都福祉保健財団は、自らの施設で利用者を不全骨折&斜視にしておきながら、口先では「悪いのは自分たちだ。申し訳なく思う」といいながら、様々な言い訳を並べて、責任はどこ吹く風かと涼しい顔をしているのだ。

非営利と威張って赤字をたれ流す東京都福祉保健財団

さらに、理事長に対して、異常ともいうべき東京都福祉保健財団の利用者の利便性無視の営業時間に関して聞くと、改めるつもりはない、と気勢を上げる。その理由は、営業時間を増やせば、それだけ経費がかさむからだというのだ。

今現在、ウェルネスエイジは年間1800万円の経費が掛かっていて、1200万円の売り上げがあるという。そして赤字になる600万円を都から補助金という形で受け取っているのだという。今でもすでに600万円の赤字だから、経費を増やせないというわけだ。そもそも一般の人が利用できないような時間しか営業していないのだから、売り上げが上がらないのは当然であり、一般の人が利用しやすい時間に合わせて営業すれば利用者は増え、売り上げも上がることは、小学生でもわかりそうなものだ。

なによりも、ウェルネスエイジは、東洋一の歓楽街である歌舞伎町という恵まれた場所で、どうしたら都の補助金がじゃぶじゃぶ必要になる赤字経営ができるのだろうか。

そんな当たり前すぎる疑問をぶつけると、まるでお題目のように「非営利ですから」と回答する。

非営利ならそれなりに、「すべての都民の幸せと安心、笑顔をめざす」努力をしていればいいのであるが、そう考えても、自分たちの都合に合わせた営業時間と運営体制で、とても利用者のことを考えているとは思えないし、実際、ウェルネスエイジで暴行された被害者老人は、いまだほったらかされたままだ。

ビルの不動産に詳しい専門家によれば、ウェルネスエイジのようなアスレチック、スポーツジム、プール併用施設を民間に貸し出し、運営をしてもらうだけでも数百万円の家賃収入が見込まれ、赤字経営から脱却できるはずだという。もちろん福祉目的から外れないように、福祉関係者利用に関しては、利用料金の減額適用などで対応できるはずだ。

しかし、補助金に甘やかされて、その旨みを知ってしまった東京都の外郭団体である東京都福祉保健財団は、かたくなに改善に目を向けようとせず、税金をじゃぶじゃぶ使い続けるのだ。

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東京都の行政に改革のメスを

被害者老人は今回明らかになった、こうした東京都、都の外郭団体の悪しき体質は根本から改革が必要だといいます。東京都には認可だけで数千件あり、その認可に絡んだ利権があって、その認可のカギを握っている行政側の人たちは、利権を振りかざして、税金を食い物にしているのです。

東京都政における認可は現在、正当性、合理性で判断されるのではなく、許可権限を取り巻く人たちの利害で判断されているといわれています。そのため、年々予算が増額され、じゃぶじゃぶ税金がつぎ込まれ、不足分の予算の穴埋めのために、税金も年々高くなっていきます。

現在、行政の犠牲者であり食い物にされている東京都民は、認可権限を行政から取り上げて、行政の認可を民間ボランティアによる審査制にすることで、税金も劇的に減るし、認可の判断も合理的になされ、しかもスピーディーになるだろうと、被害者老人は言います。

実際、過去に有名な耐震偽装の姉歯事件をきっかけに行政が建築確認申請許可を民間に委託するようになったが、それによって行政がやっていた時と比べて、まるで別次元のように、その申請許可プロセスは改善され、合理化され、厳密化されて、建築物の安全性は非常に高まったことは、多くの建築関係者、不動産関係者の知るところです。

利権に群がって投入される税金を食い物にしているだけのウェルネスエイジでは、自分たちの利権を守るために、自分たちの境遇の変化を嫌います。そこにはやがて、自分たちは正しい、逆らうものが間違っているという傲慢が生まれてくるのです。

東京都の外郭団体に熱心に運営の改善を提案していた結果が、背骨の不全骨折と斜視という暴力被害でした。こんなことがあってはなりません。被害者老人は、今回ひどい思いをしたけれども、これが東京都の行政改革のきっかけにでもなってくれればと願っているといいます。

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国際新聞編集部

ただただ謙虚な姿勢でありのままのことをありのままに伝えることこそ、 ジャーナリズムの本来のあるべき姿。 それを自覚はしているものの、記者も血の通った人間。 時にはやり場のない怒りに震えながら、 時には冷酷な現実に涙しながら、取材をし、 全ての記事に我々の命を吹き込んだ新聞を作っています。

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