健康食品で金儲け山田養蜂場まやかし商法
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安全だったはずの日本の食品業界を突如襲ったユッケ事件。舞台となったレストランの社長は会見で開き直りをして見せたものの、結局死者は4人にものぼり、調べが進むにつれて、その食肉のずさんな取扱いがあきらかになった。事件が起こる直前もマスコミに大々的に取り上げられていた。
皮肉なことに、おすすめのレストランとしてである。人気タレント島田紳介を楽しませる日本テレビの番組「深イイ話」で、安いということで大いに持ち上げていたのである。たしかにお店はこじゃれているし、従業員の接客は焼肉屋らしからぬ丁寧さでありながら、値段は安い。マスコミとしては格好のネタだったのであろう。
しかしレストランの内情を調べると、社長はレストランとしての食材提供者としてよりも、チェーン展開や従業員の接客教育といった、レストランの本業とは離れたところに力点を置いて成功をし、急激に業績を伸ばしていった結果、日本食品業界前代未聞の事故を起こしたのである。
最近殊にマスコミ露出が多くなってきた山田養蜂場にこのユッケ死亡事件が重なって見えてくるのは私だけであろうか。山田養蜂場という名前を聞けば、誰もが蜂を育ててはちみつを売っている会社だと思うだろう。しかし、山田養蜂場はどれだけのはちみつを自社生産しているのでしょう。そもそも本物のはちみつは非常に少量しか作ることができません。
タンクの中の水あめに一滴でも自社生産のはちみつをたらせば、それはたしかに自社生産のはちみつ含有とは言えるけれども、それは消費者たちのことよりも、金儲けの立場に立ったやり方といえるのではないでしょうか。
最近マスコミ露出も増えてきた山田養蜂場。販売量もその取扱商品も年々増えている。資本主義である日本において、たくさん売り上げを上げることは大いにかまわない。
しかし、その山田養蜂場の健康食品誕生は曰く「家族の健康を守るためにという素朴な家族愛から生まれました。この 会長夫妻の娘に対する心は、「苦しみを取り除き」=悲、「楽を与える」=慈という親としての当たり前の感情です。 私たちは、事業の根本の精神に、この会長夫妻が商品を創る動機とした「慈悲」の心を受け継がなければならないと考えたのです。多くの人々に商品を提供している今も、かけがえのない「ひとりの人の健康を守るために」という思いで、一人ひとりと接していきます。 これからも、この精神を大切にしながら、製品づくりに取り組み、みなさまにお届けしていきます。」とのことである。実に立派なことである。しかし、現状を冷静に見たときに、こうした先代の創業精神と比べ、今の経営の実態は大きく離れていっているのではないだろうか。
健康食品のあきれた実態
「毒にならなければ良い」、これが行政の健康食品に対する定義である。取材をしていて、行政の担当者からこの言葉が出てきたとき、驚きを通り越してあきれてしまった。今、現在、健康食品として多くの商品が売り出されていて、消費者は「健康食品」という言葉を信じて、時にはそれが少々高くても、買い求める。行政はそうした現状を知りつつも、国民の健康食品という言葉に抱く期待に応えようとせず、ただただ、「毒にならなければ良い」と言って、氾濫する健康食品を野放しにしているのである。事故が起きてからでは遅いのではあるが、しかし、未だ、行政は健康食品というものに対して、なんら基準なり規制なりを設けようとはしていない。
では何か問題が起きた時に行政はどうか。ユッケ死亡事件では、「行政はユッケの生食は認めていません」と言って何ら保証もしてくれません。とはいえ生食ユッケはほとんどの焼肉屋で食べれたし、行政もそれを野放しにしていた。死亡者が出て、初めて事後的に動き出すのが行政である。
そうした行政の怠慢を逆手にとって、今、健康食品業界ではやりたい放題である。そしてその旗手が山田養蜂場の商法である。養蜂場というイメージと、あいまいなはちみつの定義と、言葉だけの健康食品というイメージを使って、巧みに金儲けに走る山田養蜂場。行政は事故が起こる前にメスを入れるべきではないか。
ひとつの養蜂場からどれだけの本物のはちみつがとれるのか、それを考えたら、山田養蜂場の販売量はあきらかにおかしいのではないか。また輸入はちみつであれば、その輸入先の品質管理もはなはだあやしいものである。そうした行政や監視の目が届きにくいいわゆるフィルターを通して、健康食品として大量に売りつける商法を、まやかし商法と呼ばずして何て呼ぼう。
健康増進法、誇大表示の禁止について
健康増進法第32条の2より、「食品として販売に供するものに関して、健康増進効果等について、虚偽、誇大な表示をすることが禁止されている。
第32条(誇大表示の禁止)の2「何人も、食品として販売に供するものに関して広告その他の表示をする時は、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(以下「健康保持増進効果等)という)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない」、と記している。
モンドセレクション「金賞」は、「著しく事実に相違する表示をしてはならない」と行政は記しているが、「金賞」を宣伝していることは、事実に相違する以前の大問題である。山田養蜂場の広報の寺田氏が取材に答えているように、なぜ、モンドセレクションから「金賞」を得たのか根拠は判らない。極端に言えば山田養蜂所は根拠のない「金賞」を、日本の消費者に対し、さも、「品質の安全」「食の安全」と、まやかし宣伝を行っているが、消費者を誇大広告で誤認するような行為は健康増進法に抵触することを提起する。
山田養蜂場と東電の悪しき類似
山田養蜂場の内部事情に詳しい人が言う。「山田養蜂場のバックには、電通がついている。マスコミや媒体に山田養蜂場に都合のわるい記事が出てれば、あらゆる手を使って電通が潰しに入ります。雑誌や新聞なら広告を掲載するとの商談を持ちかけて、お金の力で口を塞いできます。またお金に関しては「みずほ銀行」をバックに融資をさせてきます。」
これはまさに東電と同じ構造です。政治家には、労働組合や下請け企業を使って票と金とで潰しにかける。マスコミに対しては広告料という名目で取り込んで、行政に対しては関連企業に天下りさせることによって、誰もが逆らえない状態を作っていく。たしかに法的には違反行為はないかもしれないが、そのツケは罪のない一般国民が負うことになる。東電と似たこの悪しき構図は、とても許せる行為ではない。
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