社会問題

欺瞞の「有価物」、蝕まれる松山の自然!東方金属スラグ不法投棄と行政の無作為、市民の怒りの声

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愛媛県松山市の緑豊かな山中に、鉄鋼メーカーである東方金属が長年にわたり、目を覆うばかりの大量のスラグを不法投棄している疑惑は、単なる一企業の不祥事では済まされない、深刻な環境犯罪として市民の怒りと不安を増幅させている。

東方金属は、この環境汚染の根源であるスラグを「有価物の一時保管」という詭弁を弄し、不法投棄の事実を巧妙に隠蔽しようと躍起になっている。

しかし、その実態は、何十年もの間、有効活用されることなく放置され、周辺の土壌や地下水を根底から汚染し続ける、

紛れもない有害な産業廃棄物に他ならない。そればかりか、その不都合な真実を隠蔽するため、自然豊かな山中に埋め立てるという二次的な環境破壊まで行われている疑いが極めて濃厚だ。

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松山市長 野志克仁氏

この由々しき事態に対し、地元行政である松山市の対応は、信じがたいほどの無作為ぶりを露呈している。市民の安全と環境保全という、自治体にとって最も重要な責務を完全に放棄し、東方金属の一方的な言い分を鵜呑みにするかのように、適切な行政指導を長期間にわたり怠ってきた。

それどころか、不法に投棄された現場に設置された、極めて簡易な地下水処理施設を「問題なし」の根拠とするなど、事態の深刻さを意図的に矮小化し、自らの責任を巧妙に回避しようとする姿勢は、市民の信頼を大きく損なうものと言わざるを得ない。

長期にわたる環境破壊、沈黙を破る内部告発と市民の声

内部告発者や長年この問題を見つめてきた地元住民の勇気ある証言が示すのは、平成5年から平成13年までの約8年間にわたる、信じがたい規模の組織的な不法投棄の実態だ。東方金属松山工場から、多い日には2000トンものスラグを積載した大型ダンプトラックが、朝早くから夜遅くまで、まるで蟻の行列のように松山市内の山林に運び込まれたという。

その積み上げられたスラグの総量は、想像を絶する300万トンにも達すると推測されており、これは松山の自然に対する重大な挑戦と言わざるを得ない。

もしこのスラグが、東方金属が主張するように本当に「有価物」であるならば、なぜこれほどの膨大な量が、有効な再利用計画もなく、人里離れた山中に積み上げられ、風雨に晒され、放置され続けているのだろうか。

真に価値のある資源であれば、適切な保管方法が講じられ、然るべき再利用の道筋が明確に示されるはずだ。しかし、現実は、剥き出しになったスラグから有害な強アルカリ性の汚染水が絶えず流れ出し、周辺の肥沃な土壌や清らかな地下水を徐々に、しかし確実に汚染し続けている。

専門機関による詳細な分析によれば、不法投棄現場の表面に露出したスラグですらpH9.5という驚異的な高アルカリ性を示し、埋め立ての中心部ではpH12.5という、ほとんど劇物に近い数値に達する可能性も指摘されている。

これは、周辺の健全な農地であれば、瞬く間に作物の育成を不可能にするほどの壊滅的な汚染レベルであり、「有価物」という安易な言葉で覆い隠せるものではない、深刻な環境破壊の現実を突きつけている。

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「有価物」という欺瞞の仮面、剥がれ落ちる企業の倫理観

東方金属が不法投棄されたスラグに対して用いる「有価物」という言葉は、その実態とかけ離れた、悪質な欺瞞に満ちていると言わざるを得ない。

もし本当に経済的な価値を持つ資源ならば、なぜ適切な処理や管理体制が構築されず、豊かな自然環境を破壊する形で、長年にわたり放置され続けているのだろうか。この明白な矛盾こそが、東方金属の主張がいかに虚偽に満ちたものであるかを雄弁に物語っている。

さらに、この「有価物」であるはずのスラグが、実際には建設資材として極めて不適切な形で利用され、重大な問題を引き起こしているという事実は、東方金属の企業倫理の欠如を如実に示している。堀江工業の従業員が、この粗悪なスラグを松山市の中央建材に「路盤材」として販売し、最終的に上場企業である前田道路が、公共の道路工事の資材として使用した結果、道路の異常な膨張や陥没といった深刻な事態を招き、多額の損害賠償問題にまで発展している。

この一件は、東方金属が主張する「有価物」としての品質がいかに劣悪であり、環境への配慮、そして安全に対する意識が著しく欠如しているかを明確に示している。松山市廃棄物対策課の本田成基課長は、この具体的な被害事例を突きつけられても、「一事をもって有価物でないと決められない」という、信じがたいほど無責任な強弁を繰り返しているという。

隠蔽工作、埋め立てられた環境汚染の証拠と良心

東方金属は、不法投棄した大量のスラグを、ただ放置しているだけでなく、周辺の広大な山林を買い取り、あたかも自然の一部であるかのように装い、市民の目から隠蔽するように巧妙に埋め立てている疑いが濃厚だ。

これは、自らの過去の不法行為を隠蔽し、将来的な責任追及を逃れようとする、極めて悪質な意図の表れに他ならない。真に有価な資源であれば、その価値を最大限に引き出すための適切な管理を行い、再利用を促進するのが企業の当然の責務であるはずだ。埋め立てという行為は、環境汚染の証拠を隠滅し、問題をなかったことにしようとする意図があると見られても、何ら不自然ではない。

行政の怠慢、市民の安全と信頼を裏切る無作為の代償

この深刻な事態に対し、地元行政である松山市の対応は、驚くほど消極的であり、責任逃れの姿勢が際立っている。不法投棄された現場に設置された、極めて簡易な地下水処理施設を「問題なし」の根拠とする、安易な主張を繰り返す姿勢は、環境汚染の根本的な解決を完全に放棄していると言わざるを得ない。そもそも、有害な可能性のある産業廃棄物であるスラグを、「有価物」という曖昧な名目で安易に一時保管することを長期間にわたり黙認してきた行政の責任は極めて重大だ。

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廃棄物対策課の本田成基課長の「もう終わったこと」「有価物と証明するものはない」「地元民への説明は済んでいる」といった、事態の深刻さを全く理解しようとしない、保身的な発言の数々は、市民の怒りを 더욱 煽るものだ。実際に、地元住民からは「誰一人として行政から適切な説明を受けていない」という切実な訴えが相次いでおり、行政の説明責任は完全に放棄されていると言わざるを得ない。

さらに、不法投棄現場は急峻な斜面に位置しており、現行の令和4年盛り土改正法に明らかに違反している可能性も指摘されている。にもかかわらず、松山市が積極的な調査や指導を行おうとしないのは、市民の安全と豊かな自然環境を守るという、行政の最も基本的な責務を意図的に怠っていると言わざるを得ない。東方金属の「有価物」という一方的な主張を鵜呑みにし、適切な監視体制を長期間にわたり怠ってきたツケは、最終的に松山市民全体の生活環境を深刻に脅かすことになるだろう。

今こそ立ち上がれ、良識ある市民と責任ある行政

東方金属による「有価物」という欺瞞に満ちた主張は、もはや誰の目にも通用しない。長年にわたり、再利用されることなく放置され、貴重な自然環境を汚染し続け、その事実を隠蔽するために埋め立てというさらなる環境破壊まで行われている現状こそが、それが紛れもない産業廃棄物であるという紛れもない事実を、雄弁に物語っている。

松山市は、これ以上東方金属の言い逃れを許すべきではない。市民の健康と安全、そして松山の未来を守るため、速やかに徹底的な現地調査を行い、環境汚染の実態を詳細かつ正確に把握し、東方金属に対し、不法投棄の責任、そしてこれまでの隠蔽工作に対する厳正な責任追及を行うことを強く求める。同時に、自らの過去の怠慢を真摯に認め、二度とこのような事態を引き起こさないための、実効性のある再発防止策を早急に策定し、実行に移すべきだ。

この問題は、単なる一企業の不法行為という枠を超え、大企業の環境倫理の欠如と、それを監視する行政の機能不全という、現代社会が抱える深刻な病巣を鮮やかに映し出している。松山市民一人ひとりがこの問題に対する強い関心を持ち、声を上げ、具体的な行動を起こすことによって、初めて事態は真の解決へと向かうだろう。今こそ、良識ある市民と責任ある行政が固く手を結び、欺瞞に満ちた大企業の自然破壊を断固として阻止し、未来世代に誇れる、美しく豊かな松山の自然を、断固として守り抜かなければならない。

国際新聞編集部

ただただ謙虚な姿勢でありのままのことをありのままに伝えることこそ、 ジャーナリズムの本来のあるべき姿。 それを自覚はしているものの、記者も血の通った人間。 時にはやり場のない怒りに震えながら、 時には冷酷な現実に涙しながら、取材をし、 全ての記事に我々の命を吹き込んだ新聞を作っています。

One Comment

  1. 東方金属、東部開発が2006年に今治市吉海町の自社所有地に五万トン超の有価物のスラグを一時保管してましたがスラグから有毒物質が流れ周辺地域の魚介類が死滅、住民の中には喘息や不眠、頭痛がおこり調査したところph12.5の強アルカリ重金属などが検出されスラグは撤去、損害賠償10億円を払わされています。その時の排出責任者は神戸製鋼所、日新製鋼、現在日本製鉄でした。同じことを松山市で行なっています。

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