緊急寄稿:ひまはりよ!咲き誇れ!~ウクライナに幸あれ~(三澤浩一)
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ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかつた。
私は共産主義者ではなかつたから。
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかつた。
私は社会民主主義者ではなかつたから。
彼らが労働組合員を攻撃したとき、私は声をあげなかつた。
私は労働組合員ではなかつたから。
そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残つてゐなかつた。
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上記は、ドイツのキリスト教ルター派の牧師であり、反ナチス運動の指導者であつたマルティン・ニーメラー(西暦1892~西暦1984)の言葉に由来する「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき」といふ詩です。
詩といふよりも、警告といふべきか、教訓といふべきか、反省といふべきものでせう。
共産主義者、社会民主主義者、労働組合員だけではなく、ユダヤ人、心身の障碍者、不治の病の患者、カトリック教会、ナチスに侵略された国々の人々等々も加へた長い文もありますが、上記がマルティン・ニーメラー財団によるものですから、それを記しました。
ニーメラーの言葉は、迫害や弾圧の対象が少しずつ拡大していくとき、「自分は当事者ではないから」と見て見ぬふりをしてゐたら、自分が対象となつたときには、助けてくれる人は誰ひとり残つてゐなかつたといふ反省です。
この反省は、迫害や弾圧だけではなく、侵略にも当てはまります。
「ナチス・ドイツがオーストリアを併合したとき……、チェコスロバギアを侵略したとき……、そしてポーランドを侵略したとき……、もう遅かつた。第二次世界大戦が始まつた」となります。
歴史に「もし」や「たら」「れば」はない!といひます。
しかし、過去に「もし」や「たら」「れば」を仮定して、その教訓や反省を現在や未来に活かすことが、歴史を学ぶことの意義だと存じます。
ウラジーミル・プーチンが率ゐるロシアが2月24日、ウクライナへの侵略を再開しました。
侵攻ではなく、侵略です。
また、開始したのではなく、再開したといふべきでせう。
ロシアがクリミナ半島を侵略したとき、我が国を含む国際社会は、ロシアの侵略を許してしまひました。
許さなくとも、見て見ぬふりをしたり、声をあげませんでした。
これは黙認です。
支持するやうな言動をした愚か者すらゐました。
プーチンは侵略者です。
プーチン・ロシアは侵略国家です。
帝政ロシアも、共産ロシアも、侵略国家でしたが、プーチン・ロシアもそれらと同じ侵略国家です。
断じて許してはいけません。
大きな声をあげませう。
尊皇討奸義軍が昭和11年に蹶起した2月26日、僕は義軍烈士を慰霊する処をお参りした後、民族派の同志と合流、ロシア大使館に出撃しました。
ロシア大使館の周辺、いや、各地でプーチン・ロシアに抗議するための行動が展開されてゐました。
渋谷駅のハチ公前広場、徒歩でも車輌でも何回か通りましたが、報道などでも伝へてゐる通り、多くの人々がプーチン・ロシアに抗議するための声をあげてゐました。
たくさんのウクライナ国旗が翻つてゐました。
白人男性から手渡されたビラには「ウクライナ軍を支援するための寄付」を呼びかけてゐます。
ウクライナ軍を支援したいと願ふのは、僕だけではないでせう。
ロシア大使館の周辺では、関東だけではなく、長崎県、福井県、愛知県の民族派同志とも一緒になりました。
保守系市民運動の人々もゐました。
27日、民族派の同志とともに義軍烈士を慰霊する処をお参りした後、ロシア大使館に出撃しました。
ロシア大使館周辺には、数百人の人々が集まつてゐました。
ウクライナの人々も、プーチンに反対するロシアの人々も、数多くゐました。
ウクライナの人々はウクライナの国旗を掲げて、ウクライナの国歌を声高らかに歌つてゐました。
彼ら彼女らの手には、ウクライナの国花「ひまはり」が握られてゐました。
左翼の人もゐたやうですが、プーチン・ロシアの侵略を糾弾するとき、右も左もありません。
プーチン・ロシアの侵略を糾弾するため、日本人もウクライナ人もロシア人も声をあげました。
今、声をあげなければ、ダメです。
プーチン・ロシアに対して、大きな声をぶつけませう。
この現場では大いに勉強となりました。
プラカードひとつを見ても、学ぶことができました。
「北方領土を返せ」と掲げてゐる青年に対して、同志が「君がいふ北方領土はどこなんですか?」と問ふと、青年は「わかりません。詳しいことは知りません。でもロシアの侵略は許せないので、ここに来ました」云々と答へました。
この青年は右でも左でもなく、プーチン・ロシアの侵略が許せず、声をあげたといふのです。
嬉しく感じました。
一歩ふみだした青年の勇気を称へます。
また、面白いイラストがありました。
プーチンと習近平がハグして、キスをしてゐるものです。
プーチンと習が同じ穴のムジナであることは、誰もが知つてゐることですが、政府もマスコミも知らんぷりしてゐます。
この1枚のイラストは、百枚の論文よりも、真実を伝へてくれるでせう。
そして、素晴らしいイラストがありました。
ロシアの国旗を突き破り、ひまはりが咲いてゐるものです。
ロシア国旗は掲げられてゐるのではなく、置かれてゐるやうに見えました。
地に置かれたロシア国旗は、ウクライナの大地を侵略するロシア軍を表してゐます。
そのロシア国旗を突き破り、ウクライナの国花であるひまはりが咲いてゐるのは、たとへ占領されても、ウクライナは屈しないといふ闘志を表してゐるのだと感動しました。
この素晴らしいイラストは、あの面白いイラストとともにインターネットで見つけることができるとのことです。
僕は今、プーチン・ロシアと戦ひたいと願つてゐます。
非力な民間人に何ができるのか……、考へます。
大好きな新撰組の永倉新八は日清戦争のとき、日本刀を携へて、陸軍に赴き、参戦を志願しました。
東洋最大最強の大国ともいへる大清帝国の軍隊に対して、日本刀で戦ひを挑むといふのです。
笑ふ人もゐたでせう。
しかし、永倉を知る陸軍は驚愕してしまひ、丁重にご辞退を懇願したといひます。
僕も永倉の士気を見習ひ、戦ふ覚悟を固め、プーチン・ロシアとの戦が開かれたとき志願したいと存じます。
無理は百も承知の戯言、非力な老輩の妄言ですが……。
ウクライナとの連帯を訴へて筆を置きます。
ひまはりよ!健やかに咲け!
ひまはりよ!大きく咲け!
ひまはりよ!美しく咲け!
ウクライナに幸あれ!
三澤浩一