社会問題

3人死亡の松山城土砂崩れは人災だ!地元の人達が激怒する理由

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7月12日未明に発生した松山城・城山の土砂崩れ。幅50m、長さ300mにわたって木々や土砂が流れ落ち、麓の民家やマンションを直撃。土砂で押しつぶされた木造住宅に住んでいた90代と80代の両親、そして同居して介護をしていたという40代の息子の3人が亡くなりました。

 松山城は県外から多くの観光客が訪れますが、地元に人にも愛されていて、毎日毎朝早くから、健康のために登城する人たちもたくさんいます。

 そうした松山城を知り尽くした地元の人達は、口々に言うのが、「松山城の土砂崩れは人災だ」というセリフです。

 土砂崩れがおきた直接的な原因は、前日から降り続いていた大量の雨ではありますが、それでも地元の人達が人災だと訴えるのはなぜなのでしょうか。

松山・緑町の城山で土砂崩れ住宅倒壊 40~90代3人不明|愛媛新聞ONLINE 10 11 2024 11 57 AM

過去に何度も土砂崩れが起きている

 松山城は過去に何度も土砂崩れが起きています。

昨年も崖崩れを起こして愚陀仏庵という漱石と子規が住んだと言われる記念館が土砂崩れで埋まっています。

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そうした大掛かりな土砂崩れ以外にも、小さな土砂崩れが起きて、道に亀裂が走っていたりするところもいたるところにあります。

そしてまた斜面には倒木や根が剥き出しになりいつ倒れてもおかしくない木々があちこちで見かけられます。

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毎日松山城に来る人でなくても、そうした状況を見れば、「がけ崩れがまた起きそうだ」ということがわかるような状態なのです。

つまり、毎日松山城に来る地元の人はもちろん、観光で松山城に来た一見さんの素人でも、「松山城で土砂崩れが起きそうだ」ということが分かる状態だったのです。

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松山市の土砂崩れ対策が土砂崩れを招いた

 度々起きていた土砂崩れに対して、何が行われていたのか?

現場一帯は以前から土砂災害警戒区域に指定されていました。つまり、松山市も非常に危険な場所であるという認識があったのです。

 では、そこまで危険性を認識していながら、松山市は何をしたのでしょうか。

 松山市は崩落や崩れの報告を受けると、城壁の裏側に土砂や砂利を写真に在るようにいつも崩れるたびに管理事務所の職員に補強させて一時凌ぎをしてました。

 皮肉にもそうした応急処置が、今回のがけ崩れの原因になっていると言われています。

写真の土嚢を積んでいる場所は土砂崩れ以前から、危険だということから松山城管理事務所が土嚢を二重、三重に重ねていました。

あの幅に土嚢を積んであると雨などで土嚢の重量は30、40キロ。全量なら1トン以上の負荷です。

ではそれだけの土のうを支える地盤はと言うと、大小の土砂崩れが頻繁に起きていましたが、その際にできた道路のひび割れなども長期間放置されていたために、雨水などが入り込み、まさに土砂崩れしやすい地盤になっていたのです。

 実際、死者三名を出したがけ崩れは、まさにこの土嚢を積んだところから起きたと言われています。

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文化財保護のため法律手続きで時間がかかる?

 松山城のがけ崩れ対策は、発生する範囲や頻度などから考えると、抜本的かつ大規模な修復、工事が必要なことは明らかです。

 崩れた箇所だけを立ち入り禁止にしたり、土のうを積み上げたり、形を整えたり、ということをしても、またすぐに崩れることは、日を見るより明らかです。

 つまり大規模ながけ崩れ対策を講じる必要があり、その責任は管理者である松山市なのです。

 もちろん松山市も、何もしてこなかったわけではありません。

例えば、松山城・城山の上部にある「緊急車両道」の擁壁が昨年の梅雨の時期に、雨の影響で傾いた際には、復旧工事が計画されましたが、被害の確認から着工まで一年かかり、そこから工事が始まり、まさに工事の最中に大規模ながけ崩れが起きてしまいました。

 その工事が終わっていれば、今回の大規模な土砂崩れも起きていなかったのではとも言われています。

 つまり工事に時間がかかりすぎていることも、今回のがけ崩れの大きな原因なのですが、これに関して、松山市の野志市長はそのことを認めつ次のように言っています。

「担当の方から国の史跡、文化財でありますので、文化庁の許可が必要なんだと、また、指示される発掘調査が必要なんだと聞いております。松山市としては早く工事をしたいという思いはもちろんあります」
出典:松山城土砂崩れ「なぜ梅雨に工事を」救えなかった命…文化財は“足かせ”になったのか?(2024年7月17日掲載)|南海放送NEWS NNN (ntv.co.jp)

一見すると、こうした野志市長の言っていることは、もっともらしく聞こえるかもしれません。

 しかし、松山城に毎日登城している地元の人はそんな松山市長の言い訳を次のように一蹴します。

 「そもそも、松山城のがけ崩れが頻繁にあるのは、ここ一、二年の話ではなく、ずっとむかしから起きていたこと。

 いくら文化財で法的な手続きとやらで時間がかかるとはいえ、ずっと前から、本格的ながけ崩れ対策を講じてきてくれていればとっくに終わっているはず。

 前の市長、その前の市長がちゃんと対策の指示を出すべきだったんでしょうけども、結局、無責任に先延ばしで、まぁ、今の市長のときにたまたま大きながけ崩れが起きてしまって、責任を全部押し付けられているみたいになって、気の毒ではあるけども、これを機に、松山市ももっと市民の事を考えて、変わってほしいですね」

 

 

 

 

国際新聞編集部

ただただ謙虚な姿勢でありのままのことをありのままに伝えることこそ、 ジャーナリズムの本来のあるべき姿。 それを自覚はしているものの、記者も血の通った人間。 時にはやり場のない怒りに震えながら、 時には冷酷な現実に涙しながら、取材をし、 全ての記事に我々の命を吹き込んだ新聞を作っています。

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